Microsoft Online Servicesベータ版サービス開始

すでに米国ではサービスを開始しているが、日本でも、マイクロソフト版SaaSといえるMicrosoft Online Servicesのベータ版が公開された。国内での正式のサービス開始は、4月中の予定だ

Microsoft Online Servicesは、Exchange Online(Exchange Sererのオンライン版)、SharePoint Online(SharePoint Servicesのオンライン版)、Live Meeting(チャット、在席確認)、Office Communications Online(Office Live Communications Serverのオンライン版)で構成される。使用料金は1ユーザー1ライセンスで計算し、必要なサービスだけ契約することもでき、すべてのサービスをセットにしたSuiteで契約することもできる。この場合の価格は月額1,567円となる。 今回は、もっともニーズが高いと思われるExchange Onlineを中心に紹介する。

従来のExchange ServerとExchange Onlineの違い

従来のExchange Serverとの大きな違いは、オンライン版であるため、Windows Serverの管理コンソールではなく、Webの管理ページですべての管理を行うことだ。

Exchange Server 2007の「Exchange管理コンソール」。Exchange Serverでは管理コンソールでアカウントを管理する

Microsoft Online Servicesのユーザーアカウント管理画面。SSLで接続したWebページで管理する

Exchange Onlineではサーバを設置しなくてもよい、バックアップやバージョンアップなどのサーバの運用管理を省力化できる、ユーザー数によっては、サーバやWindows Server、Exchange Serverを購入するより遙かに安価になるといったメリットがあるが、もう一つ見過ごされがちなのが、Active DirectoryドメインがなくてもExchange Serverのサービスを利用できる、つまりWindows ServerやExchange Serverがなくても、Microsoft Officeの機能をフルに使えることだ。

Outlookを含むMicrosoft Officeはチームプロジェクトを支援する強力なネットワーク機能を装備しているが、フルに活用するにはWindows ServerによるActive Directoryドメインの構築や、Exchange Serverが必須であり、中小企業やSOHOではコスト的に難しいものだった。しかし、Exchange Onlineであれば、安価に利用できるのだ。

一方、すでにActive Directoryドメインを運用しているのであれば、Active DirectoryとExchange Onlineを同期させることもできる。