超軽量&超コンパクトなボディが魅力の富士通製UMPC「FMV-BIBLO LOOX U」に、XPモデルが登場した。サイズがW171×D135×H26.5~33.0mm、重量が約565gと持ち運びに便利なうえに、OSがXPなので動作がサクサクと快適。今回はVistaモデルと比較して、その使い心地を検証した。

主な仕様  [CPU] Intel Atom Z520(1.33GHz)  [チップセット] Intel システム・コントローラー・ハブ[メモリ] 1GB  [HDD] 60GB  [ディスプレイ] 5.6型ワイド(1,280×800ドット)  [サイズ/重量] 約W171×D135×H26.5~33.0mm/約565g  [OS] Windows XP Home Edition  [直販価格] 89,800円

筆者は仕事柄、取材先にいろんな物を持っていくことが多い。デジタル一眼レフカメラはもちろんのこと、ストロボに予備のバッテリー、インタビュー用のレコーダーに説明用の資料などなど。その準備の段階でいつも悩むのが、持ち歩き用PCの存在だ。3kg超のA4ノートはお話にならないとして、これだけの機材があると、たった1kg増えるのもわずらわしい。コンパクトでスリムなネットブックであってもカバンに入りきらないことも多く、収まったとしてもギュウギュウ詰めのカバンのなかで壊れてしまわないかヒヤヒヤしてしまう。「もっと小さくて軽いUMPCがあったらいいのに」そう感じているのは、筆者だけではないハズだ。

フタを閉じると非常にコンパクト。手のひらサイズながら、存在感のあるボディだ

そんな人にうってつけなのが、富士通のUMPC「FMV-BIBLO LOOX U/C30」である。サイズは幅171×奥行き135mmと、ハードカバーの書籍と同じ程度。しかも重量が約565gと非常に軽い。1kg前後のネットブックに比べると半分程度だ。「たった500g」と思う人もいるかもしれないが、荷物が多いと意外にその差は大きい。さらにフタを閉じた状態ではほどよく厚みもあるため、圧力の高いカバンのなかでも問題なさそうである。

最近はスリムなマシンが人気ではあるが、「カバンに入れて持ち歩く」という点で、不安を感じてしまうマシンも多い。書類程度なら一緒に持ち歩いても問題ないのだが、大き目の機材とぶつかり合うことで、破損する可能性が高くなるからだ。その点、「FMV-BIBLO LOOX U」はよく言えば屈強で、多少ザツに扱っても問題ない。

また、液晶ディスプレイを180度回転させた後に閉じることで、タブレットスタイルでも利用できる。反応速度も良好で、メニューやファイル操作もストレスなく行なうことが可能だ。入力デバイスがキーボード主体のマシンでは机において両手で操作しなければならないが、タブレットスタイルであれば場所を選ばず、立ったままでも操作できる。ポインティングデバイスを使った操作でも、マシンを両手に持った状態で操作可能だ(後述)。

液晶ディスプレイを180度回転させると、タブレットスタイルで操作できる

液晶ディスプレイは、5.6型ワイドながら1,280×800ドットの表示が可能。ノングレア加工ながら発色は良好だ。デジカメで撮影した写真を確認しても、コントラストや色合いに不満を感じなかった。ただし、ドットピッチが0.0945mmとかなり小さいため、標準では表示される文字がかなり小さく感じてしまう。その分、1画面あたりの情報量は多くなるので、仕方ないだろう。メールソフトやブラウザの文字サイズを変更すればだいぶ読みやすくなるので、必要に応じて設定を変えればいい。

「FMV-BIBLO LOOX U/C30」のデスクトップ画面。コントラスとはやや低めだ

ブラウザでサイトを表示。標準では文字がかなり小さい

光の映りこみはないものの、視野角はやや狭い印象を受けた

デザインの変更でフォントサイズを変えると、かなり操作しやすくなる