【ハウツー】
試してわかる『Afrous』の可能性
本稿では数回にわたり、オンラインマッシュアッププラットフォーム『Afrous(アフロス)』の活用方法を紹介していきます(解説者は開発元のマッシュマトリックス代表取締役社長兼CEO 冨田慎一氏)。AfrousはすでにSalesforce.comのForce.com上でも高評価を受けており、企業内ポータルの構築など業務分野での利用が期待されるほか、個人ユーザーによる利用も可能となっています。
Vol.1 - ビジネス環境でも使えるマッシュアッププラットフォーム
Vol.2 - マッシュアップダッシュボード画面の作成
Vol.3 - カスタムデータソースの作成(1)
Vol.4 - カスタムデータソースの作成(2)
Vol.5 - イントラネット内のCSVファイルの統合
Vol.6 - マッシュアップエディタによる拡張
Vol.7 - ダッシュボードの外部サイト公開と独自ポータル構築
マッシュアップという言葉がWebの世界で叫ばれてから数年たち、この言葉/および技術はかなりコモディティ化してきたように思われます。近年はマッシュアップそのものよりも、マッシュアップ技術を活かしていかに効率よく目的とするシステムを実現できるかに重点が置かれているようです。例えばIBMなどの大手ベンダーもマッシュアップをサポートする製品「IBM Mashup Center」「sMash」などを出荷しており、この動きを裏付けています。
この【ハウツー】シリーズで紹介する『Afrous(アフロス)』も、そういったマッシュアップによるシステム構築を簡単に実現できるサービスの一つです。以前にもこの元になるサービスを紹介させていただきましたが、その時点ではまだマッシュアップのプロセスを実行するためのエンジンおよびプロセスを記述するためのツールという形でした。それから1年ほどたち、Afrousにはさらなる機能が加えられ、現在はSaaS形式のサービスとして新しく「Afrous プラットフォーム」として提供されています。
SaaS形式のマッシュアッププラットフォーム
AfrousプラットフォームはSaaS形式で提供されており、完全にWebブラウザのみで動作するように設計されています。このため、特別なソフトウェアのインストールやサーバのセットアップは全く必要ありません。
誰でもマッシュアップアプリケーションを作成
Afrousプラットフォームでは、ドラッグ&ドロップなどのユーザインタフェースを元に、高度なプログラミングを行う必要なく簡単に画面を構築したりマッシュアップデータソースを作成することができます。
エンタープライズ環境やビジネス用途にも
Afrousのマッシュアップエンジンはクライアントサイドマッシュアップのアーキテクチャを採用しているため、サービス自体はSaaS形式でありながらファイアーウォールの影響を受けることなくイントラネットのマッシュアップが可能です。これは企業内の情報リソース統合を安価に実現する手段として考慮する価値があります。
現在、Afrousプラットフォームは以下の2つのコンポーネントから成り立っています。
Afrous Mashup Editorは、以前Afrous Editorと呼ばれていましたものとほぼ同じものです。なお、以前のAfrous Editorにはレンダラーというマッシュアップ結果の表示機能が存在していましたが、Afrous Mashup Editorではプロセスのみの構築にフォーカスし、データの表示はすべてAfrous Dashboardで行う設計になっています。
Afrous プラットフォームでは、まず最初にダッシュボード機能である「Afrous Dashboard」が前面に押し出されています。このAfrous Dashboardを利用すると、例えば以下のようなダッシュボード画面を作成することができます。
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Afrous Dashoardの例1(クリックでダッシュボード表示) |
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Afrous Dashoardの例2(クリックでダッシュボード表示) |
この画面を見ると、「iGoogle」や「netvibes」といった、いわゆるスタートページサービスと似ているという印象を受けるかもしれません。実際にアクセスしてみるとわかりますが、マッシュアップの結果をマウスドラッグ可能な矩形の表示要素(ウィジット)を集めて画面を構成しているという点で確かに類似しています。
Afrous Dashboard には、それらに対する特徴的な点として、
という点があります。また、この記事の後半の回で触れる予定ですが、作成したダッシュボードを自分のWebサイトに貼付けて独自のダッシュボードサービスとして展開することが可能であることも一つの特徴でしょう。
では実際にマッシュアップダッシュボードを作成してみましょう。
本ハウツシリーズでは、チュートリアルとして以下の画面で表示されているダッシュボードを作成する方法を紹介していきます。このダッシュボードは、マスターとなる企業情報から各種Webサービス/システムを横断検索し、ダッシュボード画面にまとめています。
このダッシュボードに表示されているデータには以下のものが含まれています。
なお、今回利用する企業情報リストや顧客名簿のデータには、シナリオの都合上実在する企業名が使われているものもありますが、その他の属性情報は実在する団体・人物とは全く関係ありませんのでご注意ください。
次回以降、このダッシュボード画面を実際に構築する手順を順を追って見ていきます。
著者プロフィール:冨田慎一
2000年 東京大学大学院 理学系研究科 情報科学専攻 修士課程修了。大学院卒業後、日本オラクル株式会社に入社。おもにアプリケーションサーバ製品のコンサルティング、および新規ビジネスの研究・開発に携わる。2006年、株式会社セールスフォース・ドットコムに入社。同社在籍中の2007年にIPA未踏ソフトウェア創造事業に採択される。プロジェクト名は「宣言的アプローチによるJavaScriptマッシュアップエンジンの開発」。2008年1月に株式会社マッシュマトリックスを設立し、代表取締役に就任。ブログは「snippets from shinichitomita's journal」(技術系)、「shinichitomita @ mm」(会社系)。
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