日本スペシャルティコーヒー協会(以下、SCAJ)は27日、日本初というラテアート大会「ジャパン ラテアート チャンピオンシップ 2009」の決勝大会を東京・有明のビッグサイトにて開催した。チャンピオンは6月にドイツ・ケルンで開催される世界大会への切符を手にすることとなる。ここでは、記念すべき第1回大会となった同大会の様子をお届けする。

「ジャパン ラテアート チャンピオンシップ 2009」会場

ラテアートって?

コーヒー豆は、各バリスタが準備する。自分の味で勝負できるということだ(写真は「CAFFE VITA」の門脇裕二さん)

大会の様子をレポートする前に、基本的な説明をしておこう。まず、ラテアートについて。カプチーノやカフェラテの表面に、ハートやリーフの絵柄が描かれているのを見たことがある方も多いだろう。これをラテアートと呼ぶ。ミルクをスチーミングしてつくったフォームドミルクとエスプレッソのコントラストによって絵が描け、正確な抽出やスチーミング、カップへの注ぎ方といったバリスタの技術が問われるものだ。

欧州スペシャリティコーヒー協会(以下、SCAE)では、これまでに4回ラテアートの世界大会を開催しているが、SCAJ主催による日本大会は今回が初めてとなる。今回の大会には、日本全国から49名のバリスタが出場し、9名が決勝進出を果たした。

決勝では8分の間に、カプチーノ(もしくはカフェラテ)、エスプレッソ・マッキャート、デザイナーズ・ビバレッジを各2杯つくる。これを審査員が、ビジュアルや味わい、バリスタのスキルなどの面からジャッジをする。ちなみに、エスプレッソ・マッキャートとは、エスプレッソ用の小さなカップ(デミタスカップ)にエスプレッソを抽出し、そこにスチームドミルクを注ぐものだ。そしてデザイナーズ・ビバレッジのみ、エスプレッソやミルク以外に、シロップやチョコレートなどを使ってデコレーションすることができる。

これまでに何度かレポート記事を掲載してきた「ジャパン バリスタ チャンピオンシップ」(以下、JBC)とは、制作するドリンクの内容も違えば、進行もかなり異なるものだった。

バリスタチャンピオンシップレポート集


「ジャパン バリスタ チャンピオンシップ'08 - '09」
【レポート】バリスタ日本一は誰だ!? - 1杯のコーヒーに思いをこめる"職人"たちのアツい戦い
「ジャパン バリスタ チャンピオンシップ 2008」
【レポート】まるで"スター誕生"--バリスタ日本一を決めるバリスタチャンピオンシップに密着
「ジャパン バリスタ チャンピオンシップ 2007」
【レポート】バリスタ日本一は初の女性 - 爽やかスマイルと冷静さを武器に世界へ!
日本初開催となった「ワールド バリスタ チャンピオンシップ 2007」
【レポート】バリスタ世界一が決定!!「ワールドバリスタチャンピオンシップ」詳細レポート

JBCもラテアートチャンピオンシップも、バリスタが1人ずつ競技を行うのは共通。しかし、審査結果詳細がJBCはクローズドなのに対し、ラテアートチャンピオンシップでは1人の競技が終了するたびに点数が発表となり、暫定チャンピオンが決定するといったシステムをとっている。審査結果がオープンになるのは観客にとってもわかりやすい。また、イベントを通して緊張感が持続し、最後までハラハラドキドキしながら観戦できたのではないだろうか。

1人の競技が終了するごとに点数が発表され、暫定チャンピオンが決定する(写真左はクラブハリエの村山春奈さん、右は同じくクラブハリエの吉川寿子さん)

それでは、いよいよ次ページで結果を発表するとしよう。