UQコミュニケーションズは26日、東京23区内と神奈川県川崎市・横浜市の一部で同日サービスインした「UQ WiMAX」の開通式を東京都内で行った。開通式には、UQコミュニケーションズの田中孝司代表取締役社長のほか、同社の出資者代表が出席した。

UQ WiMAX開通に、関係各社の代表が集まった

真のモバイルブロードバンドの世界に出発

UQコミュニケーションズの田中社長。終始喜びにあふれた表情で挨拶に臨んでいた

冒頭、UQコミュニケーションズを代表して挨拶に立った田中社長は、2月3日か15日まで行われたトライアルユーザーの募集において、「約2万人の応募があり、その中から5,000人を抽選させて頂いた」と発言。UQ WiMAXへの注目度の高さを伺わせた。また、「今日の3時過ぎに(手続きが完了したユーザーから順次)データ通信カードが届く」説明。トライアルユーザーは早ければ、この開通式の完了後からサービスが使えるようになることを明らかにした。

通信可能エリアに関しては、26日現在で約500局設置されていることを公表。「5,000名のトライアルユーザーと、500局の基地局で、我々は真のモバイルブロードバンドの世界に出発する」(田中社長)と宣言した。

さらに「500局の基地局と言うと、(事業計画で定めた約2万局の)2.5%になっている。今日時点ではたった2.5%だが、この後、基地局の建設を加速して、近いうちに日本中にWiMAXのエリアができていく――という世界を想定している」と今後の展望を語った。

日本経済の起爆剤になって欲しい

総務省の塩崎岳副大臣。「ワイヤレスブロードバンドの世界が、日本で、しかも最先端のレベルをもって始まることを誇りに思っている」と期待を示した

総務省からは、石崎岳総務副大臣が出席。UQ WiMAXの開通に祝辞を述べた。石崎副大臣は、「今日、ここに来るのを楽しみにしていたし、ワクワクした気持ちでいる。多くの人がこのWiMAXの門出を待っていたと思うし、日本のICT分野が新しいステップに踏み出す、と言う思いで一杯だ」と述べた。続けて、「この厳しい(日本の)経済状況を打開するひとつの大きな鍵はICT・情報通信分野だと確信している」とした上で、「このようなタイミングでUQ WiMAXのサービスがスタートを迎えたことは象徴的。この最新技術が日本の市場、ユーザーにインパクトを与えて、低迷する日本経済の起爆剤となって欲しい」と期待を述べた。

商用サービス開始の7月以降にはWiMAX内蔵のノートブックパソコンも

インテルの吉田社長。「次世代通信にはWiMAXが最適と考え、過去7年に渡り注力してきた」と同社の取り組みに付いて語った

UQ WiMAXサービスに事業戦略パートナーとして携わるインテルからは、吉田和正代表取締役社長が出席。吉田社長はUQ WiMAXに関して、「世界標準であるWiMAXを採用したモバイルブロードバンドが日本で展開されること、そして(WiMAXサービスが)どのように展開されるか、という2点に大きな意味がある」と指摘。「海外においてすでにWiMAXのサービスがスタートしている地域でもあるが、現時点で日本の(UQコミュニケーションズ)ように、明確に国全体をカバーする計画は明らかにされていない。これほどのスピード(2012年度末に人口カバー率90%を目指す)で国全体をカバーするWiMAXサービスは世界に例を見ない(日本におけるUQ WiMAXサービスが)世界に誇れるサービスである」と評価した。

続けて吉田社長は、「まず、WiMAX搭載のインテルCentrino2プロセッサーテクノロジー搭載のPCで、市場の拡大に努める」と発言。UQ WiMAXの商用サービスが本格的に始ま2009年7月以降に登場する運びであるWiMAX内蔵パソコンを、メーカーと協力して普及させる決意を語った。

新しい市場の創出に期待

KDDIの小野寺社長兼会長

UQコミュニケーションズの筆頭株主であるKDDIからは、小野寺正代表取締役社長兼会長が出席。開通式典前に株主代表として挨拶を行った。小野寺社長は、「UQコミュニケーションズが新しい市場を創出し、通信市場の発展・活性化を通じて、経済の発展に貢献できるよう、株主一同、UQコミュニケーションズを盛り上げていく」と語った。

会場には、インテルの内蔵用WiMAXモジュールも展示されていた。7月以降のインテルCentrino2搭載のノートパソコンに搭載される予定だ

(井上翔/K-MAX)