【インタビュー】
1月6日(日本時間)、ファイルメーカーはFileMaker Pro 10およびFileMaker Server 10をリリースした。FileMaker ProはMac OS、Windows上で動作するデータベースソフトウェアであり、FileMaker ServerはFileMaker Proユーザーのワークグループのためのデータベース・サーバソフトウェアだ。 FileMaker Proはデータベースでありながら強力なGUIを兼ね備えており、その用途は個人、企業の部門内といった小規模なシステムから大規模なシステムまで幅広い。バージョンアップを行うたびにさまざまな機能が追加されてきた同製品だが、今回のリリースでは主にどのような点が強化されたのだろうか。 今回、米FileMakerの社長を務めるドミニーク P.グピール氏に、同製品の注目すべき新機能、販売戦略、今後の展開について話を聞いた。
--今回のバージョンアップの際に重視したポイントは?
FileMakerは幅広いユーザー層とそのニーズの両方に対応しなければなりません。その中には初めてデータベースに触れる方もいれば、FileMakerを使い込んでいる方やプロジェクトチームを組んでFileMakerを用いた業務向けアプリケーションを構築するデベロッパーもいます。また、FileMakerは歴史の長いソフトウェアですが、古いバージョンから変わっていない世界も多く、その筆頭がユーザーインタフェースでした。しかし、今回私たちは、FileMakerを何年も使い続けている方たちからいただいた数々のフィードバックをもとに、次のようなユーザーインタフェースを中心とした改良を行いました。
一方でデベロッパー向けの機能としては、バージョン7からさまざまな改良を行ってきました。バージョン7ではデータベースエンジンの大幅な刷新、バージョン8ではPDF/Excel形式への出力対応、バージョン8.5ではWebビューアを実装し、Google Mapsといった外部Webサービスとの連携が可能に、バージョン9ではSQLソースを使用できるようになったことなどが挙げられます。
今回のバージョン10では、以前から要望があったスクリプトトリガやSMTPを直接経由したメール送信機能を実装しました。この機能により、従来の生産性を大幅に上げることができるでしょう。
--ユーザーは急激な変化を望んでいないのではないでしょうか?
今回のバージョンアップではユーザーインタフェースが大きく変更されましたが、他の機能については変更されたことを感じることなく、ユーザーは利用できるのではないかと思います。ユーザーインタフェースの改良は1つの大きな変化というわけではありませんが、これからも徐々に使いやすくしていきます。FileMakerはただのデータベースソフトウェアとしての枠内にとどまらず、ユーザーの用途に応じたツールとしてこれからも活躍していくでしょう。
--FileMaker Pro/Server 9ではFileMaker API for PHPやSite Assistantといったエンタープライズ系の機能を強化していましたが、バージョン10では小休止といったところでしょうか?
FileMaker Server 10では、FileMaker API for PHPを用いたPHP公開の機能強化やSite Assistantの改善を行っています。先に申し上げたように、ユーザー層が多岐にわたるため、すべてのニーズに応えるのは難しいのですが、バージョン9以降同様に、今後もODBC/JDBCや外部データソース機能といった他データベースソフトウェアとの連携を強化していくつもりです。
--今回の目玉機能である「ダイナミックレポート」はどのような場面で活躍するのでしょうか?
FileMakerを選択したユーザーの多くは、Microsoft Excelといったスプレッドシートを利用してきました。FileMakerの強みとして集計機能を利用した各種帳票の作成が容易という点がありますが、これらは以前のバージョンにおいて、プレビューモードや実際に紙やPDFに印刷してから初めて目に見える、いわば表示のみの静的なレポートでした。
新機能の1つであるダイナミックレポートでは、「FileMakerの集計・帳票という強さ」と「スプレッドシートの操作感」のいいところをとり、FileMaker上で「表計算ソフトのようなユーザーフレンドリーな操作感」「動的に集計算が行える」を実現しています。この機能はさまざまなプレゼンテーションにおいて、とても良いフィードバックをもらうことができました。
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