【レビュー】

初心者でも本当に作曲はできるのか? -DAWソフト「Music Maker 2 Producer Edition」徹底レビュー

2 自分の能力に合わせた曲作りが可能

    大坪知樹  [2009/02/20]

    本格的なマスタリング機能も搭載

    Music Maker 2はイージーモードにより誰でも簡単に使えることはもちろん特徴のひとつではあるが、だからといってひたすら初心者向けに、機能も簡略化されたDAWではない。たとえばパソコンを楽器に変えてしまうソフトシンセは、さまざまな楽器音をリアルに再現するサンプラータイプの「VITA」を始めとし、新ドラム音源「Beat Box 2 Plus」が追加されるなどなかなか強力だ(図11参照)。

    図11

    新搭載のシーケンス機能内蔵ドラム音源「Beat Box 2 Plus」。用意されたドラムキットを読み込むだけでなく、細かな音作りが可能

    あまりの多機能にそのすべてを紹介することはできないものの、とにかく機能は充実している。一例を挙げるならば本格的なマスタリング機能だ。マスタリングとは曲制作の最終段階といえる工程で、音質を派手に変えるのではなく微調整し、曲全体の完成度を高める作業。一見地味な作業に思えるかもしれないが、プロの制作現場ではそれ専門のエンジニアが居るほど重要なものだ。

    Music Maker 2には非常に豊富なエフェクトが用意されているが、さらにマスタリング専用のエフェクトとして「Mastering Suite 2.0」が搭載されている(図12参照)。これは4バンドEQ、ステレオイメージャ、コンプレッサ、リミッタ、そしてスペクトラムアナライザと、マスタリングでよく使われるエフェクトをまとめたものだ。

    図12

    マスタリングに必要な各種エフェクトがセットとなっているマスタリング専用エフェクト「Mastering Suite 2.0」

    その機能はまさに本格的で、たとえば搭載されているEQはAV機器でもよく見かけるグラフィックEQではなく、パラメトリックEQ仕様となっている。そもそもEQは低域や高域など各音域をブースト/カットして音質を調整するエフェクトだが、パラメトリックEQはその調整する音域が固定されておらず自由に設定できるもの。AV機器のグラフィックEQは10バンドや20バンドなどバンド数が多く、多機能に見えるが、パラメトリックEQは調整の自由度が高く、実際に制作現場で使用されるのもパラメトリックEQが主流となっている(図13~15参照)。このあたりからも簡単操作だけが売りではない、本格的DAWであることがわかるだろう。

    図13

    Mastering Suite 2.0に搭載されている4バンドパラメトリックEQ。「EDIT」をクリックするとパネルが開き、詳細設定が可能となる。「Gain dB」を選択すると各スライダーで1~4バンドそれぞれがブースト/カットする量の調整となる

    図14

    「Freq Hz」は各バンドの中心周波数帯を設定する

    図15

    「Q」は各バンドがカバーする周波数の幅を設定、スライダーの設定結果は左のディスプレイでグラフィカルに確認できるため、なかなか使いやすい

    このように初心者にも使いやすく、また使い手がステップアップしてもそれに応える機能を備えたMusic Maker 2。手ごろな価格設定と合わせ、DAWの購入を考えている人にはやはり気になる製品と言えそうだ。

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