日本貨物鉄道はこのほど、東新潟機関区の一般公開を行った。ここは、JR新潟駅からJR白新線で一駅目の東新潟駅、及びJR貨物の新潟貨物ターミナルに隣接したJR貨物の機関区である。1965年に旧国鉄の東新潟機関区として開業し、現在はJR貨物の機関車18両が所属する。ここでは、DD51の添乗体験、EF510の運転台見学など、機関車とのふれあいをレポートする。

今や貴重な存在となった機関区

列車を動かす仕組みには、動力集中型(機関車が動力の付いていない貨車や客車を牽引する)と動力分散型(車両ごとに動力がついている)がある。現在の日本で我々が乗る電車や新幹線など、ほとんどの旅客用の列車は動力分散型である。機関車が活躍する機会は貨物が中心で、機関区、機関車は少し遠い存在になってしまった。そんなわけで、機関区の見学は、とても貴重な体験といえる。

これがエコレールマーク

東新潟機関区は、機関車の日々の検査や、一年単位での検査までが行われるところ。まず、会場の入口付近では、機関車の解体部品やJR貨物グッズ、そして何故か、ジャガイモ、玉ネギ、おせんべいなどの販売があった。……実はこれらの食品、鉄道のコンテナで運ばれているのだ。ジャガイモと玉ネギは北海道から、おせんべいは新潟からそれぞれ、首都圏などに運ばれる。"エコレールマーク"は鉄道で運ばれた印で、スーパーなどで探してみてほしい。鉄道貨物輸送は、とてもエコな輸送手段として注目が高まっているのだ。

物販の様子

解体部品は、主に塩尻にいたEF64のもの

DD51の乗り心地はいかに?!

次に、目玉であるDD51の添乗を体験する。運転台を見学できるだけではなく、見学者を乗せて構内を走行してくれるのである。運転台はかなり高い位置にあり、急な階段を上る。ホームでなく、地面から列車に乗るというのもレア体験だ。乗り込んだのは、運転部屋と呼びたくなるような、四畳半くらいのスペース。進行方向に向かい左前と右後ろの2カ所に運転台が付いていて、それぞれに機関士さんが着席する。中央部は柵で仕切られて人が入れないようになっており、そのまわりをぐるっと取り囲むように見学者が入った。

機関車の先頭部に横乗りした人の旗の合図で、DD51は走り始めた。何百kmという長い距離をたった一人で過ごす機関室に今日はたくさんの人が乗って、機関士さんは少しうれしそうだった。意外だったのは、普段乗る旅客用のディーゼル車のようなエンジン音や振動がなかったこと。その代わりに、全体が重そうにゴウゴウ鳴っている。「機関車は、車体がまるごと機関なんだなあ」。そんなことを考えているうちに、あっという間に折り返し地点に着いてしまった。今度は、反対側の運転台の機関士さんが運転する。窓から身を乗りだし、前方を確認する動きがかっこいい。約5分ほどの、あっという間の添乗体験だった。

乗車整理券。約400枚が配布された

秋田方面から主にコンテナを運んでいるDD51 756。乗車には急な階段を上る

運転台の様子

旗の合図をする人を車外から撮影