【レポート】
産業技術総合研究所(産総研)のブースでは、さまざまな研究の成果が発表されているが、ナノチューブ関連としては2つの研究が目に付いた。
1つは「金属配位型有機ナノチューブ」と呼ばれるもの。これは、グルコピラノシルアミンやグリシルグリシンといった有機ナノチューブのカルボン酸と金属イオンが接合することで、有機ナノチューブに金属的な性質を持たせるというもの。具体的には、金属イオンがプロトンとイオン交換することによりペプチド脂質の金属錯体が形成され、自己集合によりナノチューブ構造をとることが推測される。
ちなみに、付けられる金属は、「ほぼどのような金属でもつけられるのではないか。ただ、アルカリ性の金属はつきにくい可能性がある」とのこと。
今回は、このナノチューブの大量製造法を確立させたということで、100g程度であれば10分もあれば製造できるという。
単層から20-30層の多層構造まで対応が可能なほか、ナノチューブを焼結させることで、金属酸化物ナノチューブへの変換できるほか、金属イオンを光還元や硫化水素ガス処理することで金属化し、膜中にAgナノ粒子や硫化カドミウム粒子が分散したハイブリッドナノチューブなどの合成も可能。
現在、サンプルの提供も可能で、100g当たり20万円程度(税込み)としているが、「g単位で提供可能」としており、「現在、何に使用できるのかを募集している段階であり、興味を持った企業や研究機関から連絡がもらえれば」としている。
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元となる有機ナノチューブ(白)と、それぞれの金属イオンを含んだ金属配位型有機ナノチューブ(ナノチューブは軽いため、白いナノチューブで中身は30~50gとのこと。100gというとかなりの量になるので、始めはもっと少量でも良いのでは、とのこと) |
もう1つのナノチューブ関連の展示は、「カーボンナノチューブ黒体」で、これはCNTを光や赤外線の吸収帯(黒色コーティング)として用いるもので、従来のCNTを用いた黒色コーティングでは、0.97以上の吸収率の実現が難しかった。
今回、産総研の開発したSWCNT成長技術「スーパーグロース技術」を応用、SWCNTのナノスケール垂直配向構造を利用することで、紫外から遠赤外域まで広い波長範囲で0.98~0.99という吸収率を実現した。
光の吸収率が高いということは、反射が起きにくいということであり、実際にフラッシュを光らせて撮影した画像を見てもらうと一目瞭然だが、周囲の白色の反射光が従来のCNTには被ってしまい見えなくなっているが、今回のCNTではちゃんと存在を確認できるのが見て取れる。
この技術は、現在、特許出願中であり、興味のある企業・研究機関などからの問い合わせを受け付け、幅広い分野での応用を図っていきたいとしている。
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