発売と同時に大反響を呼び、いまだに入手困難な状態が続いている新コンセプトのミニノート「VAIO type P」。そのコンパクトな筐体の中身は、いったいどうなっているのだろうか? そこで今回は、type Pの製品企画/開発に携わったソニーの担当者に同機を分解していただき、その技術的な工夫と開発にあたってのエピソードを伺った。

VAIO type Pの企画/開発に携わったソニーの担当者のみなさん。左から、今回type Pを分解していただいた機構設計担当、鬼頭紀子氏、プロジェクトマネジャーの鈴木一也氏、プロダクトプロデューサーの伊藤好文氏

VAIO type Pの内部にアクセスする!

分解前のVAIO type P。今回は、Webカメラやワンセグ、WWANの搭載されていないモデルを分解していただいた

VAIO type Pは、本体厚19.8mm、重量588g(VAIOオーナーメードで最軽量構成を選択した場合)という極薄軽量ボディが大きな特徴になっている。そのコンパクトな外観から想像できるとおり、ボディ内部には精密なパーツがぎっしりと詰まっている。そのため、一般ユーザーが自分でtype Pを分解するのは非常に困難。ここでは内部の構造や技術を説明するため分解の手順を一部紹介しているが、省略している手順も多数ある。絶対にマネして分解しないよう注意してほしい。

type Pの内部にアクセスするには、まずバッテリ室のビスをドライバーで取り外す必要がある。次に、パームレストの両端にあるゴムをはがし、その下に隠れているビスを外す。

分解にあたっては、まずバッテリーを外してビスを取り外す

バッテリ室のビスを外したら、パームレスト両端のゴムをはがして中に隠されているビスをドライバーで外す

鬼頭「キーボードにはツメが12カ所ついていて、本体内部のマグネシウムのフレームに固定されています。そのツメと、キーボードとスティックポインタのフレキ(フレキシブルケーブル)を慎重に外すと、キーボードを取り外すことができます」

キーボードには本体に固定するためのツメがついている。それを慎重に外していく

キーボードを取り外した状態のtype P

マグネシウムのフレームもビスで数カ所固定されており、それをドライバーで外す必要がある。続いて、ヒンジの両端にあるビスと、液晶と本体をつないでいるケーブル類を外して、ディスプレイを本体から分離させる。

鬼頭「本体内には、マグネシウムのフレームが一面に入っています。そのおかげで、コンパクトな筐体でも剛性を保てているんです」

鈴木「ディスプレイ側には、このモデルの場合3本ケーブルがついています。無線LANのモジュールにつなげるものが2本と、液晶モジュール用が1本です。Webカメラやワンセグ、WWANを搭載したモデルの場合は、さらにケーブルがついてきます。このあたりは、VAIOオーナーメードで選んだ構成によっても変わってきます」

本体内部のマグネシウムのフレームのビスを外しているところ

液晶と本体をつないでいるケーブル類を外して、ディスプレイを本体から分離させているところ

液晶を外したら、今度は本体を裏返しにする。これで、先ほどビスを外したフレーム部分を底面(ボトム)ケースから取り外すことができる。

液晶を外したら、今度は本体を裏返しにする。これで、フレーム部分を底面ケースから外せる