【レビュー】
前編と後編の2回に分けてお届けしている「Adobe After Effects CS4」新機能レビュー。前編で紹介した、インタフェースの変更点や、強化されたアイテム検索、3Dレイヤーに引き続き、後編では、「カートゥーン」エフェクトや、同梱されているトラッキングツール「mocha」について紹介していこう。
「After Effects CS4」では、エフェクトにもいくつかの追加、変更が行われている。これまでのバージョンアップで追加された機能やエフェクトで、役割が重複してしまっているようなエフェクトは、「旧バージョン」というカテゴリーに移動されたり、整理されている。しかし、削除されたエフェクトはないので、旧バージョンで作成したコンポジションの互換性は確保されているようだ。また「カートゥーン」エフェクトなどのいくつか新たなエフェクトが追加されている。「カートゥーン」エフェクトは、実写やCG映像などの色の階調を調整して、セルアニメーション風に変化させることができる。塗り色の色数や、輪郭線の描画などを調整することができ、これまでのAfter Effectsにおいて、いくつかのエフェクトを組み合わせることによって実現させていた効果を、一発で表現することができるようになっている。さすがにベジェでトレースしたような輪郭線を表現することはできないが、セルアニメーションで使用する背景動画などには十分応用が可能だろう。
After Effectsには、映像の動きを解析してカメラぶれを修正したり、映像の動きに合わせて合成をおこなうモーショントラッキングの機能が搭載されているが、After Effects CS4では既存のモーショントラッキングの他に、イマジニア・システムズ社が開発したモーショントラッキング専用ソフト「mocha for After Effects」が同梱される。イメージとしては、従来からAfter Effectsに同梱されている、カラーコレクションソフト「Color Finess」と同じような扱いだ。After Effects標準のモーショントラッキングは、特定の点の動きを分析してフレームごとの点の位置情報を得ることができるが、「mocha」は、点ではなく曲線で囲んだ面の動きを解析してトラッキングデータを作成していく。そのため点で解析するよりも、だんだんと近づいてくる物体のトラッキングや回転している物体のトラッキングデータの作成が可能だ。3次元トラッキングは無理だが、2.5次元ぐらいの立体的なトラッキングが可能になっている。
残念なことにmochaは、After Effects内から起動するのではなく、別アプリとして起動して、別作業を行わなくてはいけない。しかし人気のトラッキングソフトが使用できるのは、非常にうれしいことだ。
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