日本エイサー ボブ・セン代表取締役社長

日本エイサーは29日、同社の2009年度事業戦略について会見を行った。

説明に立った日本エイサーのボブ・セン代表取締役社長は、まず、2008年の取り組みについて振り返り、「エイサーは、2002年にマニュファクチュアリングのエイサーから、ブランドのエイサーに転換した。また、日本においては、2006年まではLCDディスプレイに限定し、2006年からは機種を限定してPC事業を再スタートさせた。2008年は、本格的なスタートの年。ネットブックの貢献もあり、2008年の売上高は、前年比243%の成長になった。全世界の売上高は約2兆円。出荷台数は3,000万台弱まできている。また、日本におけるブランド認知度も、2007年は14.5%だったが、2008年12月の調査では40.1%と、1年間で大きく変わっている」などとした。

2008年の売上高は約2兆円(全世界)で、ネットブックの貢献もあり前年比243%の成長を記録。出荷台数は3000万台弱となった

日本におけるブランド認知度は、2007年は14.5%だったが、2008年12月の調査では40.1%と1年間で大きく変化した

8.9インチ以上のディスプレイを搭載するミニノート市場におけるマーケットシェア(日本)は、38%となった

同社では、2008年8月にネットブックのAspire oneを発売、10月にはGateway、eMachinesを加えたマルチブランド戦略の推進を公表。ゲーミングPCやダイエットPC、Ferrari公認ノートPCなどを投入するなど、積極的な製品投入が功を奏したといえよう。

8.9インチディスプレイを搭載したノートPC市場におけるシェアは38%となり、首位になったという。

2009年度事業方針

2009年度の事業方針としてセン社長は、「ネットブックの業界リード」「BtoB市場(法人市場)へのアプローチ」「マルチブランド戦略展開」の3点を挙げた。

日本エイサーの2009年度事業方針は、「ネットブックの業界リード」「BtoB市場(法人市場)へのアプローチ」「マルチブランド戦略展開」

ネットブック市場における取り組みとしては、「昨年7月から12月までのネットブックの累計出荷実績は500万台。そのうち日本では20万台を超える実績となった。このパイはますます大きくなり、2009年は全世界で1,500万台から2,000万台を目指す。2008年はITリテラシーの高いユーザーにリーチし、通信事業者との連携により、エントリーユーザーに対して、リーズナブルな価格で商品を提供できた。2009年は、これらのターゲットに引き続きアプローチするとともに、第2ターゲットと呼ばれる層にリーチしていく」と語った。

同社では第2ターゲットとして、旅行での利用やネット特化型利用のほか、モバイル利用による2台目需要などを挙げている。また、ITリテラシーの低いPC非所有者にもアプローチしていく考えだ。

会見では、日本では未発表の10.1インチディスプレイを搭載した新Aspire Oneを公開し、今後、国内市場に投入する可能性を示した。

ITリテラシーの高いユーザー、エントリーユーザーなどのターゲットに対して引き続きアプローチするとともに、第2ターゲットと呼ばれる層にリーチしていく

日本未発表の10.1型ディスプレイを搭載した新Aspire Oneを公開

新「Aspire One」の正面。日本未発表ながら、すでに日本語キーボードを搭載

左右側面

天板

ODM//OEMから代理店に直接、商品を配送するダイレクトサプライチェーンによる販売効率の高さ、スケールメリットによるコストパフォーマンスの高さ、サポートの充実にフォーカス

一方、法人マーケットに対しては、「昨年4月から法人向け事業をスタートし、7月以降、地方自治体向けに勘定系システムへの導入、金沢大学病院、三洋電機、NTT、JTBなどへの導入実績が出ている。2009年は、第2四半期まで法人需要は相当冷え込むといわれており、私も同じ認識を持っている。だが、パイはなくならない。引き続きアプローチし、ODM//OEMから代理店に直接、商品を配送するダイレクトサプライチェーンによる販売効率の高さ、スケールメリットによるコストパフォーマンスの高さ、サポートの充実にフォーカスしていく」などとした。

また、マルチブランド戦略としては、現在、全世界ではAcer、Gateway、eMachines、Packard Bellの4つのブランドを展開。そのうち、日本では、「エイサー」「ゲートウェイ」「イーマシーンズ」の3つのブランドで展開していることに触れ、「当社では、ユーザーを6つの顧客層に分けており、それぞれのブランドによって顧客ごとに製品を提供している。日本でも市場調査を行い、カスタマーセグメントマッピングをしっかり行っていく。ブランドごとの切り分けは、今年後半に向けて、より鮮明にしていくことになる」と語った。

ユーザーを6つの顧客層に分け、ブランドによって顧客ごとに製品を提供

日本では、「エイサー」「ゲートウェイ」「イーマシーンズ」の3ブランドを展開、切り分けをより鮮明にしていくとした。また日本でも市場調査を行い、カスタマーセグメントマッピングを展開予定という

セン社長は、これらの取り組みを通じて、「2009年も不況の中にあるが、がんばりたい。より高いシェア獲得を狙う」と意欲を見せた。

なお、F1レースのフェラーリへのスポンサード、ヤマハへのレースのスポンサード、2010年のバンクーバーオリンピック、2012年のロンドンオリンピックのスポンサードを行うことを発表した。

Windows Home Server製品「Acer Aspire easyStone Homer Server」

マイクロソフト Windows Home Server製品部 マネージャ 林憲一氏

また引き続き、マイクロソフト Windows Home Server製品部 マネージャ 林憲一氏が登壇。Windows Home Serverの概要を説明した。製品フィロソフィーである「小型・静音・省電力」「光学ドライブ・ディスプレイがついていない」「コネクタ類が筐体背面にまとめられている」「2台以上のHDDを内蔵可能」「ストレージの拡張性を備えている」「コンシューマー向け価格」を挙げ、日本で初めてこれら条件をすべて満たす製品として「Acer Aspire easyStone Homer Server」を紹介した。

Windows Home Serverの特徴。日本は、アメリカに次ぐ第2位の売り上げを達成しているという

製品フィロソフィーとして「小型・静音・省電力」「光学ドライブ・ディスプレイがついていない」「コネクタ類が筐体背面にまとめられている」などを挙げた

日本で初めて、Windows Home Serverの製品フィロソフィーをすべて満たした「Acer Aspire easyStone Homer Server」

前面のパネルを開けることで、内部のHDDにアクセス可能。4台まで収納できる

ドライブエクステンダーにより異なるサイズのHDDを混在できる。ホットスワップにも対応

ゲーミングデスクトップPC「Aspire G7700 Predator」も展示

性能の高さ、ギミックの面白さですでに注目を浴びている

女性を強く意識した「桃華絵里さん デコパソ」(参考展示)。コンテストも開催予定