【レポート】

日本AMD、2009年事業方針説明会を開催

    大塚実  [2009/01/30]

    日本AMDは29日、都内で「2009年事業方針説明会」を開催した。サーバー向け、PC向けそれぞれで戦略が説明されたほか、ゲストとして出席したパートナー各社からは最新製品のデモなども披露された。

    吉沢俊介代表取締役社長

    最初の登壇者は吉沢俊介代表取締役社長。2009年の展望を述べる前に、まずは2008年の総括から話を始めた。昨年は、半導体の製造部門を本体から切り離し、アブダビの投資会社と新しいファウンドリ企業を立ち上げるという大きな動きがあったが、まもなく新会社の正式名称を明らかにし、事業についても発表する計画だという。

    これは非常に大きなビジネスモデルの転換といえる。世界は依然として不況の中にあるが、「業界に大きな変化が起きるときにAMDはチャンスを見いだす会社」と吉沢社長。「プロセス技術と設備に対する投資をファウンドリがやる。我々のリソースはアーキテクチャや回路設計に集中できる」とし、これでIntelに対抗できるとの認識を示した。

    2008年の総括

    2009年の戦略

    2009年の戦略については、第1に「45nmプロセスで新しい製品をどんどん出す」ことを挙げた。昨年末にOpteron(Shanghai)を発売してから、今年もすでにPhenom II、低消費電力版Opteronと、次々に45nmプロセスの製品を投入している。今年はさらに、6コアのIstanbulも登場する予定だ。

    グラフィックス分野に関しては、「新しい領域に行く。ATI FireProのワークステーション分野は利益が高い。今までNVIDIAの牙城だったが、ここに切り込んでいく」という。またGPGPUについては、「OpenCLの登場で、今までの実験段階から、本格的な普及期に移行するものと思っている」と述べた。

    続いてエンタープライズ分野での戦略について説明したのは、同社エンタープライズプロダクトマーケティング部長の山野洋幸氏。製品については特に新しい発表はなかったが、「趣向を変えて」(同氏)、他社によるベンチマーク結果を紹介した。「Green IT」をさらに推進し、エコとコスト削減の両立を提案していくという。

    消費電力に関するテスト。65nm版に比べ、45nm版のOpteronではピーク・アイドルともに省電力化が進んでいる

    オープンソース環境によるベンチマークテストの結果。Xeon E5450に比べ、Opteron 2384は各項目で優れるという

    プラットフォームはHyperTransport 3の「Fiorano」に移行する

    Opteronでは、今年は6コアの「Istanbul」と、新プラットフォームの「Fiorano」が登場する。FioranoはSR5690+SP5100チップセットにより、HyperTransport 3をサポートするものだが、投入時期については「春以降」と同氏。省電力機能については、「詳細はまだ言えないが、システム管理者向けの新しい仕組みがリリースされる」という。

    Opteronのロードマップ。今年は6コアの「Istanbul」が登場する

    コンシューマ分野の戦略を説明したのは、同社コンシューマープロダクトマーケティング部長の土居憲太郎氏。まずはロードマップの紹介から入り、ハイエンド分野において、AM3版のPhenom IIがまもなく登場することや、今年後半にはチップセットやGPUが次世代に移行することを説明した。

    PCプラットフォームのロードマップ

    Yukonの試作機「HP Pavilion dv2」を披露する土居氏

    Phenom IIについては、低消費電力版が気になる人も多いだろう。「Phenomであった65Wの製品も展開していく予定。さらなる低消費電力版も計画している」と土居氏。Phenomシリーズでは初となる45W版の可能性も示唆した。

    またノートPC向けでは、メインストリーム分野で「Tigris」プラットフォームが登場する。CPUは45nmプロセスの「Caspian」、チップセットは「RS880M」となる。そして新たに参入するのがウルトラポータブルの分野。ここには、「Congo」と「Yukon」の2つのプラットフォームを投入する。

    ノートPC市場。この隙間がCongo/Yukonのターゲット

    Congo/Yukonがターゲットとするのは、メインストリームとネットブックの間だ。「バランスの取れたパフォーマンス」を提供するということで、三洋電機のXactiで撮影したHD動画をHPのYukon試作機(AMD Athlon Neo/1.6GHz+ATI Mobility Radeon HD 3410)で再生。UVDにより、10%前後のCPU使用率でスムーズに再生できる様子を紹介した。

    その後、説明会ではパートナー各社によるプレゼンテーションも行われた。

    アークソフトの富嶋稔氏は、「TotalMediaExtreme」の新機能となる3Dプレイヤーを紹介

    ビデオ処理の流れ。緑色の部分は、SENSIOというカナダ企業の技術を使っているそうだ

    サイバーリンクの安部太郎氏は、ATI Streamに対応した「PowerDirector 7」を紹介

    H.264エンコード時のパフォーマンス比較。ATI Stream使用時では大幅に処理時間が短縮

    LoiLoの杉山竜太郎氏は、新製品「Super LoiLoScope Moon」を発表

    フルHDのビデオ編集に対応した。同日よりダウンロードを開始している

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