荒涼とした地に立つ、カラフルで近代的な家々

アイスランドの建築物には特筆すべきものがある。周囲に何もない荒涼とした台地に、突如としてガラス張りの近代的なマンションやオフィスビル群と、カラフルな典型的な家。この両者が合わさり、どこかアンバランスで不思議な感じを醸し出している。実際、アイルランドを上空から眺めた時も、空港からレイキャビックに向かうシャトルバスの中でも、その荒涼とした景色はまるで月面に降り立ったような感覚があった。

多くの家には大きな窓がついており、オフィスなどはガラス張りの建物が多い。これは「室内が暗いからできるだけ太陽を取り入れられる作りに」という想いが込められているようだが、アイスランド人でさえ、その理由はわからない(笑)とのこと。連日のように歩行が困難なほどの強風に見舞われることが多いアイスランドだが、建築物には強風対策がきちんと施されている。ガラスが割れることもなければ、隙間風すら入ってこない。その繊細な外見からは想像もできないほど頑丈にできているようである。

ガラス張りの近代的なオフィスビル群が立ち並ぶ

外から丸見えのオフィス内

銀行もやはりガラス張りである

また、アイスランドではカーテンなどを基本的に引く習慣があまりないそうだ。まるで中を見てください、といわんばかりに室内が丸見えなのは、日本人にとってやはり新鮮に感じるだろう。家の中をオープンに見せるのはセキュリティとしてはどうなのか疑問も残るが、犯罪率の極めて低いアイスランドだから可能なのだろう。