15.4型ワイド液晶ディスプレイを搭載するNECの据え置き型ノートPC「LaVie L」は、スタンダードタイプと高性能タイプの2ラインナップが用意されている。今回はその高性能タイプをレビューしよう。Intel Core 2 Duo P8600(2.40GHz)や4GBメモリといった充実のスペックに加え、自分で撮影した画像や動画を楽しむためのソフト、使いやすさをアップさせる数々の工夫などが光る製品に仕上がっている。

主な仕様  [CPU] Intel Core 2 Duo P8600(2.40GHz)  [チップセット] Mobile Intel GM45 Express  [メモリ] 4GB(最大4GB)  [HDD] 320GB  [ディスプレイ] 15.4型ワイド(1,280×800ドット)  [サイズ/重量] 362×266×38.1~39.8mm / 約2.9kg  [OS] Windows Vista Home Premium  [実勢価格] 154,800円

長期間にわたって快適に使える充実のスペック

ガラス粒子を配合した塗料により、見る角度により微妙な色合いの違いなどを楽しめる天板

15.4型ワイドというLaVie Lクラスの大きさのノートPCは、家庭用のPCとしては最も人気のあるカテゴリのため、各社が多くの製品を投入する激戦区となっている。安価なものでは100,000円前後で買える機種もあるなか、今回の新製品は実勢価格で150,000円強製品だが、その価格にも納得できる仕上がりとなっている。

まずPCとしての基本性能だが、2.4GHz動作のIntel Core 2 Duoに加え、このマシンに搭載可能な最大容量である4GBのメモリを標準装備しているのが特徴的だ。実際には32bit版のWindowsで利用できる最大容量は3GB+αといったところだが、これだけ搭載していれば、少なくともここ2~3年の間にメモリ不足となることはない。ユーザーが積極的にメモリの増設作業を行うとは限らない一般家庭向けの機種だけに、最初からありったけのメモリを積んでいるというのは心強いところだ。

[Enter]Enterキーの幅が大きく取られており押しやすいキーボード

無線LANは最大300Mbps(規格上の理論値)の通信が可能なIEEE802.11n(Draft2.0)に対応する。現時点では11nのアクセスポイントを利用する機会はそれほどないかもしれないが、内蔵の無線LAN機能は後で取り換えることができないので、最初から対応しているのに越したことはない。メモリの容量もそうだが、一度購入したら長期間にわたって快適に使える性能を備えることを目指したように見える。

ジェスチャーによるスクロールや手書き入力機能などが追加されたタッチパッド

前面にSD/MS/xD対応のメモリーカードスロット、無線LANのオン/オフスイッチ、マイク・ヘッドフォン端子を備える。スロットにカードを入れるだけで写真をスライドショーで見ることができる

左側面にはLA端子N、D-Sub15ピン端子、USB端子と、ExpressCardスロット(34/54対応)

右側面にはDVDドライブと、前後2カ所に分けたUSB端子が用意されている

背面にもUSB端子をひとつ用意

メモリが最大の4GBまで標準搭載されているため、底面のフタを開く機会はないだろう

ディスプレイは光沢タイプの「スーパーシャインビューEX2液晶」を採用。色再現範囲はノートPCのディスプレイとしては高いNTSC比約72%で、デジカメの画像なども深みのある鮮やかな色合いで表示できる。

フォトフレームのように使えるソフトや、AVCHD編集機能も

この冬、家電量販店などではデジタルフォトフレームが人気商品となっているが、ノートPCをデジタルフォトフレームとして使おうという発想でLavie Lに搭載されたのが「ぱっと観スライドショー」機能だ。これは、従来搭載されていた画像管理ソフト「SmartPhoto」に追加された新機能で、画像の取り込みや選択などをしなくても、メモリーカードを挿入するだけでカード内の画像を順番に表示してくれるものだ。好きな音楽ファイル(MP3/WMA形式)をBGMとして流すこともできる。内蔵メモリースロットはSD/SDHCメモリーカード、メモリースティック/同PRO、xD-ピクチャーカードに対応しているが、それ以外にUSBメモリやDVDなどからのスライドショーも可能だ。

メモリーカード等を挿入するだけで、画像管理ソフト「SmartPhoto」の新機能「ぱっと観スライドショー」が起動する。スライドショーではなく画像取り込み画面を自動起動することもできる

また、動画編集ソフトとしてはメジャーな製品である「DVD MovieWriter」(NEC専用バージョン)がプリインストールされており、AVCHD方式で撮影した動画の取り込みが可能。AVCHD方式は、ハイビジョン解像度の動画をDVDや内蔵HDDといったテープ以外のメディアに手軽に記録できるため、最近の売れ筋ビデオカメラの主流になってきている。カメラと本機をUSBケーブルで接続して取り込む方法のほか、AVCHD方式で記録された8cm DVD、SDメモリーカード、メモリースティックなどからもハイビジョン動画を読み込むことができる。

プリインストールされている「DVD MovieWriter」ですぐにAVCHD形式の動画が取り込み可能

AVCHDはその出自が家電寄りの規格のため、撮影した動画をPCで取り扱うための環境はまだあまり整っておらず、動画の規格に関して知識のあるユーザー以外にはとっつきにくい面があった。それが特別なソフトやドライバを追加しなくてもすぐに取り込めるというのは大きなメリットだ。

なお、本機はIEEE1394端子を搭載していないため、同じハイビジョンカメラでもHDV方式のカメラには対応していない点に注意しよう。