「第1回 国際カーエレクトロニクス技術展」(1月28~30日、東京ビッグサイト)には、深刻な社会問題とされている飲酒運転に関する機器や、某検索エンジンの地図情報で登場する"あのビューの正体"(!?)など、さまざまな"カーエレ・アイテム"が紹介されていた。

"飲酒ドライバー"を強制ロックする装置を今春から発売

業務用アルコール測定器の製造・販売・サポートなどを行なう東海電子は、飲酒運転抑止装置「アルコール・インターロック」を紹介。アルコール・インターロックは、アメリカの一部の州やフランスでは、飲酒運転常習者などに対し装着を義務化されている装置で、日本でもいよいよ導入されようとしているもの。

停止状態でドライバーが運転席に着いた際、ドライバーの呼気中アルコール濃度を測定し、規定値を超えた場合はエンジンを始動させないシステムで、測定時間は約5秒。タバコやにんにくなどには反応しないうえ、運転中の行動はすべて記録されデータが保存される仕組みとなっている。同社関係者は「同システムの装着に関して義務化されれば、事業用自動車を持つトラック、バス、タクシーなどの自動車運送事業者などから装備されるだろう。この装置は自社で開発・製造したもので、2009年の4月から5月に発売を予定している。価格は工賃込みで20万円程度になるだろう」としていた。

東海電子ブースでは、新製品「アルコール・インターロック」を実車に装着してPR。規定量のアルコールが検知されないとエンジンが始動する

「走る測量機」…某検索エンジンの"あのビュー"の技術も!?

測量機器などのオプトメカトロニクス製品や精密光学部品を製造・販売するトプコンは、走行するだけで道路周辺の地理空間データを取得できる"走る測量機"「IP-S2」を公開。360度全方位カメラにより道路周辺の連続画像を取得できる車載型3D空間情報取得システムで、取得後の画像は、あの某検索エンジンの"例のビュー"をさらに鮮明に映し出しているようにも見える。「"あのビュー"にも使われている製品ですか?」と問うと、同社関係者は「あのサイトで使っているシステムはもっと画像などのクオリティーを下げているタイプ。それ以外のことについてはノーコメント」と笑った。手にとった同製品の「出力データ」欄には、KML、TPS、CSVと記されていて、KMLについては、「GoogleEarth上で走行軌跡が表示できるフォーマット」と説明書きがあった。

これが"走る測量機"実物。赤い部分が360度カメラ。その上の傘のような部分がGPSアンテナ。白い箱がレーザースキャナーだ

このほか、電磁波吸収シートなどを紹介するTKK竹内工業ブースにも、来場者が絶え間なく訪れていた。電気自動車をはじめ、生活のあらゆるものが電化されると、おのずと電磁波ノイズ対策製品なども注目される。カーエレは、"エレクトロニクス社会"のその先の一端が、垣間見えるイベントでもあるかもしれない。

TKK竹内工業の電磁波吸収シート