【レポート】

「透明な存在から"顔の見える"存在に」グーグル日本法人・辻野新社長が会見

2 広告市場におけるYouTubeの積極活用を示唆

    石田哲也  [2009/01/26]

    モバイル環境におけるYouTubeも急成長

    記者の質問に答える辻野氏

    抱負を語った後、辻野氏は2008年のグーグルについて「非常にいい年だった」と総括。

    「多くのパートナーの力添えもあり、検索全体が伸びた。モバイルに関しても、NTTドコモと正式なパートナーシップを結ぶことが決まるなど、飛躍的に伸びた」と話した。

    プライバシー侵害の恐れを指摘されるなど大きな話題となったストリート・ビューについては、「結果的に、グーグル・マップの世界をワンステップ進化させた」とその意義を強調。「ユーザーからの意見は全て真摯に受け止めて対応していく」とも述べ、今後も誠実な対応を行っていく方針を示した。

    動画投稿サイトの「YouTube」についても、「非常に伸びた」と総括。「米国に次いで世界で2番目にトラフィックが多い」とし、「モバイル環境におけるYouTubeの利用も非常にトラフィックが増えている」と説明。「今後も強い成長が見込まれる」と話した。

    既存メディアとの広告連携も視野

    広告については、金融危機をきっかけとした世界的不況により、「成長率が鈍ってくるのは否めない」としながらも、「AISAS(アイサス)の法則(※)の『A』や『I』を新たに訴求していきたい」と強調。

    ※AISAS(アイサス)の法則 サーチエンジンの利用による消消費者行動のプロセスが、「Attention(注目)→ Interest(関心)→ Search(検索)→ Action(行動)→ Share(共有)」の過程をたどるとする考え方。

    「そのために、YouTubeが大きく貢献するはず」と、広告におけるYouTubeの役割増大を図る考えを示した。

    広告市場において、テレビ、新聞、雑誌が「ネットに食われる」との報道などについては、「必ずしも競合するものではなく、うまく連携してシナジー効果をつくっていけるのではないか」と説明。「広告全体としての市場を伸ばしていくことができるのではないか」との見通しを述べた。

    モバイルについては、「Androidの日本国内における可能性を追求していきたい」と述べ、Androidの普及に積極的に取り組んでいくと話した。

    エンタープライズ向けを新たな収益源に

    企業向けサービスの拡充については、Google Appsが「個人だけでなく企業をエンパワーメントするもの」とし、「世界のGoogle全体としても力を入れていく分野」と説明。「従来の広告収入に次ぐ、新しいレベニュー(収入源)として考えている」と述べた。

    質疑応答では、人材戦略や環境問題に対する取り組みなどについて、記者から質問が相次いだ。

    人材戦略については、「グーグルとして引き続き、今まで同様力を入れていく」と強調。「採用はスローダウンせざるをえないかもしれないが、今年すぐ影響を受けるわけではない」と話した。

    環境問題への取り組みについては、米本社のシュミットCEOがオバマ大統領にアドバイスする立場にあるとし、「トップマネジメントの世界で取り組んでいく」と話した。

    会見ではその後、製品開発を担当する徳生健太郎氏と、日本版YouTubeを担当する徳生裕人氏の兄弟による今後の開発方針などについての説明があり、多くの記者の関心を集めていた。

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