【インタビュー】

BPMをオンデマンドで - SaaSとOSSで差別化を図るAdaptive Planning

3 顧客へのフォーカスが何より重要 - "我が社に営業部隊はいない"

    末岡洋子  [2009/01/16]

    --BPMは、Cognos(米IBM)、Business Objects(独SAP)、Hyperion(米Oracle)、米Microsoftなどが競争する市場です。Adaptive Planningの戦略について教えてください。

    我々が成功した最大の理由は、我々のソリューションが中規模企業向けに最適化されているためです。IBMやOracleなどの大手が提供するものは、大企業をターゲットにしており、高機能かもしれませんが、非常に複雑で高価です。設定に1年以上要している企業も珍しくはありません。我々の製品の特徴は、容易かつ迅速に実装、稼動できる点です。顧客はすぐにメリットを得られます。これは、現在のような経済環境化ではさらに強みになります。

    大手の中にはオンデマンド戦略を持つところもありますが、(さまざまな種類の業務ソフトウェアの中で)BPMをオンデマンドで提供しているところは、現時点ではありません。

    アーキテクチャも重要です。我々のソリューションは最初からSaaSとして開発されたので、マルチテナント型です。SAPは長年「Business By Design」に取り組んでいますが、ずいぶん後になってマルチテナントではないことに気がつきました。マルチテナントでなければコスト効果がなく、SaaSとして提供するメリットは少なくなります。

    ビジネスモデルも異なります。我々は電話ベースで、営業部隊を持っていません。無料トライアルも提供しています。顧客は、導入を決定する前に我々の技術を体験して最終的な意思決定を下すことができます。

    ホスティングに加えて、セキュリティに敏感で自社で管理できる企業にはオンプレミス/オープンソースを提供します。しかも、機能も価格も同じです。

    これは、我々にしてみれば、よい技術を提供しなければすぐに顧客を失ってしまうことになるので、顧客にフォーカスできます。

    --クラウドコンピューティングは、SaaSにどのような影響を与えると見ていますか?

    SaaSの観点からみると、クラウドコンピューティングにより、低コストで世界中からアクセスできるプラットフォームが登場するといえます。米Amazonの「Elastic Compute Cloud(EC2)」のようなサービスを利用して、アプリケーションを動かすことができます。我々のようなSaaSベンダにとっては、自社製品を市場に投入しやすくなります。われわれの日本のパートナー企業がためしに我々のアプリケーションをEC2で動かしてみたところ、うまくいったと聞いています。

    かといって、すぐにクラウドへの移行がはじまるとは思えません。信頼性と性能が改善され、コスト構造がきちんと整う必要があります。われわれのアプリケーションは特定の目的を持つもので、それにあわせてクラウドコンピューティングを調整する必要があります。まだその段階には至っておらず、現時点では、サードパーティが提供するクラウドプラットフォームを利用する計画はありません。それでも、クラウドコンピューティングのブームは本物で、いずれは現実のものになると思います。将来は、その可能性が出てくるでしょう。

    オンプレミスかクラウドベースか、という点では、私はその中間になると見ています。顧客のニーズはさまざまです。

    仮想化技術の発展により、企業が仮想化インフラを実装することで自社の"ソフトウェアプラント"が予測しやすく、容易になります。既存のインフラにプラグインする感覚で利用できます。これにより、サポートコストも下がります。

    将来、企業はこのソフトウェアプラントの中に我々のソリューションを持ち、社外の仮想インフラに設定してクラウド経由で配信されるサービスとやりとりすることになるでしょう。我々はアップデートや付加価値のあるコンテンツなどを配信します。

    SaaSを利用する顧客は、Adaptiveのアプリケーションがどこにあるのかを気にしていません。気にしているのはデータです。今後、SaaSベンダの課題はデータの取り扱いになると思います。

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