最近良く聞くの「SIMロック」って何?

SIMロックは、特定の通信事業者が発行するSIMカード以外使えないように端末に利用制限を設けることである。逆に、SIMロックの掛かっていない状態を「SIMフリー」と呼ぶ。

SIMロックされた端末は、通信方式・周波数帯がたとえ同じでも、対応した通信事業者以外のSIMカードを挿入すると、「異常なUIM(USIM)です」という旨のエラーメッセージがでて操作できなくなったり、通信機能が停止したりする。

SIMロックを掛けることによって、携帯電話端末とSIMカードの契約回線との間に本来は無いはずの契約上の繋がりを持たせることができる。海外の場合、この契約上の繋がりを活用して、端末をSIMロックが掛かった状態で購入するとインセンティブ(販売奨励金)が適用され、SIMフリーな状態で購入するよりも安価に入手できるケースがある。

日本の場合、このインセンティブモデルが極度に発達しており、その影響で未だに携帯電話事業者が販売するSIMロック付きの端末が圧倒的主流を占めている。例外は、イー・モバイルが販売しているEMONSTERやTouch DiamondなどのHTC製のスマートフォンぐらいである。もっとも、同じ通信方式を採用しているドコモやソフトバンクのSIMカードを入れても利用する周波数帯が異なるため通信できないのだが……。そのSIMロックも携帯電話事業者によって様子が異なる。

W-CDMA方式を採用するドコモ/ソフトバンク/イー・モバイルの場合、原則としてUIMカード・USIMカードの通信事業者の一致をチェックするだけである。従って、同じ通信事業者であれば、異なる契約のUIM・USIMカードを挿すとすぐ利用できるようになる。ただし、現行のFOMA端末のように、別のUIM・USIMカードを挿した後に初めて起動すると、端末に設定した暗証番号の入力を求めるようになっているものもある。

auのWIN端末の場合は、もっとロックがきつくなっており、端末とau ICカードの固有番号が強力に関連付けされている。そのため、別のau ICカードを端末に挿しても利用することができない。端末とau ICカードの関連付けを変更する場合はauショップまたはPiPitに端末を持ち込んで「ロッククリア」の処理をしてもらう必要がある。手続きは有料で、手数料は税込み2,100円。ロッククリアを行った後に利用する回線の翌月請求に計上される。

海外の場合、通信事業者などに申し込むことで「SIMフリー化」を行える場合もあるが、日本の携帯電話事業者が販売する端末では、現状SIMフリー化できない。これからの動向によっては、条件付きで可能になるかもしれないが、先行きは不透明だ。