【レポート】
2008年は一眼レフがよく売れた。とうとう銀塩フィルム時代の記録、年間販売台数128万台を越えそうだという。春先には初心者モデル、秋には中級機が集中的に登場したが、機種もフルサイズからマイクロフォーサーズまで実に多くの製品が登場した。これら、2008年に登場したデジタル一眼レフを総括したいと思う。なお、文中の価格は、マイコミジャーナル「価格情報」の12月20日現在のカメラ単体の平均価格を記している。
今年(2008年)、国内向けに一眼レフを発売したのは6メーカー、機種別では19モデルにもなる。これほど多くのモデルが一斉に登場した年はないだろう。春先には「EOS Kiss X2」や「D60」などのエントリー向けモデルが多く登場し、秋には「EOS 50D」、「D700」、「α900」などの中級機が次々に登場した。
年末の段階でクラス別で見てみると、エントリークラスは4万円前後から8万円程度までに収まっている。各メーカーとも1~2機種をこのクラスに投入しており、メーカーにとってエントリーユーザーの獲得がいかに重要かがよくわかる。もっとも力を入れているのはソニーで、「α200」、「α300」、「α350」の3機種を投入。α200は1000万画素ながら、600万画素のニコン「D40」よりも安い価格になっている。
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ソニー「α200」。2008年2月15日発売。価格は約46,000円 |
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ニコン「D60」。2008年2月22日発売。価格は約59,000円 |
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ペンタックス「K200D」。2008年2月22日発売。価格は約73,000円 |
エントリークラスはスペックもほぼ同じで、画素数は1,000万から1,200万画素程度(一部を除く)、連写も秒3コマ前後で、ほとんど差はない。違いはAFポイント(測距点)の数やライブビュー(+可動式液晶)、もしくはそれ以外の機能などになる。
手ブレ補正機構はほとんどのモデルがクリアしている。キヤノン、ニコンはレンズ側に搭載しているが、手ブレ補正レンズを安価に提供しており、ボディ側で補正するモデルとの価格差は感じられない。また、オリンパス「E-420」は手ブレ補正を持たないが、小型軽量なボディはそれを補って余りあるほど魅力的だ。ちなみにほぼ同じ性能の「E-520」はボディ内に強力な手ブレ補正機構を搭載している。
そして10万円から20万円程度までがAPS-Cサイズの撮像素子を搭載するミドルクラス、いわゆるハイアマチュア向きのカメラとなる。このクラスになると俄然カメラの個性が見えてくる。有効1510万画素という高画素のEOS 50D、新しいカラーモードを採用した「E-30」、使いやすさとバランスの「D90」などがある。
そして今年の話題のひとつ、ハイアマ向けの35mm判フルサイズ撮像素子を採用したモデルは30万円前後に集中している。
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ソニー「α350」。2008年3月7日発売。価格は約79,000円 |
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ペンタックス「K20D」。2008年3月7日発売。価格は約112,000円 |
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キヤノン「EOS Kiss X2」。2008年3月21日発売。価格は約75,000円 |
35mm判フルサイズの撮像素子はプロ機に使われているだけで、一般向けとしては「EOS 5D」のみだった。それがこの秋にはニコンからD700、ソニーからα900が登場。それに合せるようにEOS 5Dがモデルチェンジし、「EOS 5D Mark II」へ進化した。
フルサイズが増えた理由としては、撮像素子がそれなりに安くなってきたことや、画像処理エンジンの進化もあるが、トータルで見れば技術の安定によるものだろう。中心的に使われてきたAPS-Cサイズではほとんど問題もなくなり、どのカメラでもキレイに撮影できるようになった。その延長としてフルサイズが手がけられ始めたと考えられる。
ではフルサイズがAPS-Cよりも優れているかというと、それはまた別の問題だ。周辺の光量や画像の流れなどは依然と残っている。逆に、広くて見やすいファインダーはフルサイズの特権だ。どちらが良いというよりも、デジタルカメラのバリエーションの一つとして考えるのがいいだろう。
フルサイズが増えたことで、よい影響を受けたのはレンズだろう。フルサイズ機の増加により、フルサイズ対応のレンズが次々と登場している。たとえばニコンの50mm F1.4など、10年以上も旧来の製品が販売されていたが、この冬に新しくなり、「Gタイプ」へと進化した。シグマからもフルサイズ対応レンズが次々に発売されている。
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オリンパス「E-420」。2008年4月17日発売。価格は約54,000円 |
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オリンパス「E-520」。2008年5月29日発売。価格は約71,000円 |
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キヤノン「EOS Kiss F」。2008年6月27日発売。価格は約56,000円 |
フルサイズ以上に話題になったのは、「マイクロフォーサーズシステム」の登場だ。オリンパスとパナソニックが共同で策定したこの規格は、コンパクトカメラと一眼レフのギャップを埋めるというのがコンセプト。従来のフォーサーズの特徴のうち、小型軽量という特徴を推し進めている。
フランジバック(マウントと撮像素子との間隔)を半分にして大幅な小型化を可能にした代わり、ミラーユニットの入るスペースは無くなり、オートフォーカスはコントラスト検出のみとなった。ある意味、コンパクトカメラのレンズを交換可能にしたものともいえる。
マイクロフォーサーズ1号機として登場したのはパナソニックの「LUMIX DMC-G1」。スタイルは従来からの一眼レフを模したものだが、非常にコンパクトに収まっている。オートフォーカスの速さなど、従来の一眼レフと変わらず使えるパフォーマンスを備えている。オリンパスは秋に行なわれた「フォトキナ 2008」において、マイクロフォーサーズの試作モデルを展示している。昔の「オリンパス ペン」にも似た、シンプルなスタイルのモデルだ。
今後、このマイクロフォーサーズがどう展開するか非常に興味深い。もしかすると、フォーサーズ以外のメーカーも同種のカメラを出さざるを得ない状況になるかもしれない。
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