「UNIQLOCK」のクリエイティブディレクター・田中耕一郎氏が、インターネット広告推進協議会(JIAA)が開催した「東京インタラクティブ・アド・アワード 公式セミナー 2008」にて、「第6回 東京インタラクティブ・アド・アワード」を受賞した「UNIQLOCK」の制作代表として記念講演を行った。

「UNIQLOCK」の元となったWebメディア「UNIQLO MIXPLAY」

「UNIQLOCK」の制作秘話を語る前に田中氏は、UNIQLOCKに繋がるプロジェクトであった「UNIQLO MIXPLAY」について語った。

田中氏がUNIQLOと仕事を始めた2006年の春ごろ、UNIQLOは当時Web上の唯一のメディアであったオンラインストアに加え、オンラインメディアを使ったプロモーションの仕掛けを立ち上げようとしていた。そこでまず毎月発表する膨大なスタイルビジュアルを使ったバナー広告でオンラインストアへのリンクを貼り、オンラインストアでの購入体験の拡大を図ったという。その当時のことを田中氏は振り返った。

「売り上げは上がったんですけど、話題にはなりませんでした。その当時行っていたプロモーション活動はほぼ100%バナー広告でした」

UNIQLOと田中氏は、バナー広告のように掲載しているときのみ注目を集めるものでなく、継続的にWeb上でのブランド価値を作っていくことのできるコンテンツを考えていたという。

記念講演を行った田中耕一郎氏

「ここ3年くらいで、ソーシャルメディアの台頭があり、Web上のブランド情報のなかで個人が発信したブランドの情報というものが大きなボリュームを占め始めてきました。バナー広告は、掲載されてる期間は価値が発生しますが、掲載が終わってしまうと価値がなくなってしまいます。しかしそうではなく、価値がストックされていくような個人の情報をベースとした仕掛けというものを作れないかと考えました。つまり口コミを作れないかという視点がUNIQLOさんに生まれてきたということです」

口コミ情報を広げるために田中氏は、まずどのソーシャルメディアを活用すればいいのかを考えていった。そこで思いついたのが当時フレッシュなメディアとして注目され始めていた「YouTube」だったという。次に「YouTube」上のさまざまな映像をユニクロのポップ(広告)に成りえるのかという視点から見ていった。その結果として、身体表現という視点が出てきたという。

「ダンスであれ、歌であれ、パントマイムであれ、マジックであれ、いろんな身体表現があって、それがノーカットのままYouTubeにアップさせていました。それがYouTubeのなかでひとつのジャンルとしてポピラリティを得ていたのです。これをUNIQLOの視点で考えて、UNIQLOの服を着たパフォーマンスがフレッシュに見えれば、これはYouTubeのなかの文脈にはまるオリジナルな広告になるだろうと考えました」

しかし、広告として考えるためには、まずYouTubeでヒットさせ、注目を集めるネタにしなければ意味がない。そのために、ユニークな身体表現ができるパフォーマーを探していた田中氏が出会ったのが、YouTube上で10万以上ヒットしているパフォーマーのwoominだったという。

「彼らのパフォーマンスは動くマネキンであって、完全に音とシンクロしていました。もし彼らが着ている服がユニクロで、ポップ(広告)な視点が入ればもっと広がるだろうなと考えました」

そして完成したのが「UNIQLOCK」の元となったWebコンテンツ「UNIQLO MIXPLAY」であった。

「UNIQLO MIXPLAY」は既に閉鎖している。しかし YouTubeにてダンス動画を観ることは可能だ