そもそも、おうちごはんのいちばんのメリットは、外食よりも安い点にあります。このメリットを最大限に発揮させて、節約効果を上げるには、一にも二にも「食材を安く買うこと」です。そうはいっても、安ければ何でもいいというわけではありません。"安かろう、悪かろう"で、おいしくなかったり、傷みが早くて処分するハメにでもなったら、元も子もありません。節約どころか、お金を出して買った食材を捨てるのは、お金を捨てるのも同然のことです。そこで、今回は、スーパーで本当にお得な、お買い得品をゲットするテクをご紹介します。

【テクその1】1色刷りのチラシを狙え

スーパーのチラシには、カラー刷りと1色刷りのものがあります。カラー印刷のチラシのほうが、商品写真の点数が多く、見た目も派手で、目が行きがちです。でも、それに惑わされていけません。「日替わり特売品」以外は、それほど安いというわけではないケースも、ままあります。砂糖、しょうゆ、サラダ油、インスタントコーヒーといった「日替わり特売品」は、いわば"客寄せパンダ役"。スーパー側の狙いは、「日替わり特売品」で集客して、ついでにプラスアルファを買わせることにあります。また、カラー刷りは印刷代がかかるので、その分、商品の値引率が抑えめになることも。

一方、1色刷りのチラシは、見た目はジミですが、価格の安さで勝負。超・目玉品が掲載されていることがしばしばあります。チェック、マストです。

【テクその2】"ジャマチン"を狙え

スーパーに足を運ぶ前に、チラシでお買い得情報をキャッチしたら、次は現場でのテクです。

まずは、ポップをチェック。特に「日替わり特売」「本日限り」「限定〇個」など特売期間や個数が限定されているものが狙い目です。献立に取り込めそうなら、買っておいて損はありません。ただし、安いからといって、使い慣れていない食材を買うのは、要注意です。

次に、商品陳列台によるお買い得品の見極め方です。チェックポイントは、店内の四方の壁に沿って設置されている陳列台や、通路に備え付けられている正規の陳列台以外の特設陳列台にあります。特に注目したいのが"ジャマチン"と呼ばれる通路の真ん中に置かれた陳列台。お客さんが歩くとぶつかりそうで"邪魔"だから、この名で呼ばれているのでしょう。つまり、お客さんの進路妨害をしてまで、目に付く場所に置き、売り切りたい商品を並べているというわけです。半額などかなりの破格値商品が売られているので、ジャマチンを見つけたら、必ずチェックしましょう。「見切り品」も、しばしばジャマチンに置かれます。

【テクその3】「見切り品」を狙え

「見切り品」とは、メーカーがその商品をおいしく食べられるとしている「賞味期限」や、この日付を過ぎたら食べない方がいいとしている「消費期限」間近の商品を、スーパーが期限前に売り切ろうとしている商品。当然、大幅に値引きされています。

スーパーでは、各売り場ごとに「見切り品コーナー」が設置されていることが多く、店内に入ったら、真っ先にチェックしたい場所。見切り品になりやすい商品は肉、魚、野菜、惣菜など傷みが早い食材です。

ひと昔前は、見切り品というと、売り場の隅っこのほうに置かれるなど、どことなく"日陰者"的なイメージがありましたが、食品の値上げが相次ぐ昨今では、人気の"目玉商品"にランクアップ。大手スーパーの中には、見切り品を通常価格の商品よりも目立つ場所に堂々と陳列しているケースも少なくありません。

肉や魚の見切り品では、消費期限が当日は翌日になっている場合が多いですが、期限内に食べれば、まったく問題なし。日ごろ手が届かないお刺身や牛肉などのプチリッチ食品をゲットする絶好の機会です。また、肉の場合には、冷凍すれば保存期間を延長することも可能です。お惣菜は、消費期限が当日になっていることが多いですが、自宅で調理するのが面倒な揚げ物や煮物を買うならこのチャンスに。

一方、商品パッケージの変更や新製品の登場で、従来品が見切り品になるケースもあります。スーパー側はメーカーの要望もあり、新しいパッケージの商品や新製品を売り場に並べたいので、そのスペースを確保するために、従来品を早く売り切りたいのでしょう。こういった商品は、見切り品といっても、賞味期限が約1年先のことも。ほんの少し前までは、売れ筋商品だったので、おいしさは保証つきです。

見切り品買いで注意したいのが……

(1)安いからといって買いすぎないこと。

冷凍保存にも期限がありますし、冷凍に不向きな食品もあります。

(2)大手スーパーや地元で評判のいい店を選ぶこと。

こういった店の商品は回転が早いので、見切り品といえども鮮度よし。また、商品を見切るタイミングも早めで、良質のものを買うことができます。

見切り品の"裏ワザ"として、高級スーパーの見切り品を狙うというテクがあります。値段は、一般のスーパーに比べて高めですが、正規価格では手が出ない商品が特価で売られているので、プチぜいたくしたいときにはオススメかもしれません。

執筆者紹介 : 村越克子氏

フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店