発色は良すぎ?
DMC-G1のカラーモードである「フィルムモード」はカラー6種類+白黒3種類が用意されている。そのほか、モードダイヤルで切り換える「マイカラーモード」もあるが、これは絞り優先などでは使用できない。初心者向けのモードと考えたほうがいいだろう。
カラーのフィルムモードは「スタンダード」、「ダイナミック」、「スムーズ」、「ネイチャー」、「ノスタルジック」、「バイブラント」の6種類。色の傾向はその名のとおりだが、目新しいのは最後の2種類だろう。「ノスタルジック」は彩度とコントラストを極端に下げ、雨ざらしされたような年月を経過したイメージになる。「バイブラント」は「ダイナミック」よりも彩度とコントラストの強いキツい色になる。「スタンダード」でもかなり強く色が乗る傾向にあるので、「スムーズ」を常用してもいいかもしれない。
全体の傾向としては、光が十分にあるときはいいが、日陰や少し暗いシーンで色のバランスが崩れる傾向が気になった。日陰での人工物が浮いて見えたり、特定の色が妙に強く乗ることが何度かあった。また、緑が浮くような傾向も感じられた。オートホワイトバランスも若干不安定なようで、例えば日陰で撮影していると、10数カットに1カットほど、青くなることがあった。
これはパナソニックに限らず、昨今の色を乗せる傾向も関係しているように思う。以前は雑誌などで「色乗りが悪い」といった記事をよく見かけた。そのせいか、最近はどのカメラも過剰に色を乗せるようになってきた。見えている色が再現されないのは確かに寂しいものだが、過度に色を乗せると今度は微妙な綾が見えなくなってしまう。暗ければ肉眼でも色は見えないのだから、自然に色を落としてほしいと思う。
カラーを変更する「フィルムモード」。ボディ上面に専用ボタンが設けられている |
モードごとにコントラスト、シャープネス、彩度などが調整できる |
モードダイヤルで選択する「マイカラーモード」のメニュー。フィルムモードとは別物。色合い、明るさ、濃さが設定できる |
フィルムモードによる色の変化を見た。左から、「スタンダード」、「ダイナミック」、「ネイチャー」。[G VARIO 14-45mm F3.5-5.6 / L+Fine(JPEG) / 20mm(40mm相当) / プログラムAE(F4.5、1/60〜1/30秒) / ISO 100 / WB:オート] |
フィルムモードによる空の色の変化をチェックした。左から、「スタンダード」、「ダイナミック」、「ネイチャー」。[G VARIO 14-45mm F3.5-5.6 / L+Fine(JPEG) / 23mm(46mm相当) / プログラムAE(F8〜9、1/250〜1/160秒) / ISO 100 / WB:オート] |
暗部補正は働くが、露出が変わる?
DMC-G1は逆光補正機能と暗部補正機能を装備している。しかし逆光補正のほうは「インテリジェントオート(iA)」モードで自動で働き、それ以外のモードでは使用できない。対して暗部補正はどのモードでも使用できる。
この暗部補正機能を試してみたところ、確かに効果はあった。明るい部分はそのままに、暗い部分を持ち上げてくれる。しかし効き具合はそれほど強力ではなく、比較しないとその違いがわからない程度だった。自然な補正に止めているようだ。
ただ、この暗部補正が働くと、ISO感度を固定にしていても自動で変更されることがある。ISO感度で露出を補正しているだけかと思ったら、明るい側は変化しないので、やはり何らかのコントロールは行なっているようだ。しかしISO感度を固定したのに変わってしまうのは、ちょっと気になるところ。
そのほか、オートホワイトバランスについては先に述べたとおりだが、ホワイトバランスのメニューに「蛍光燈」がないのがユニーク。取扱説明書を見ると、「蛍光灯は種類によって適切なホワイトバランスが異なりますので、オートホワイトバランスかマニュアルホワイトバランスを使用してください」といった旨が書かれている。理屈としてはまったく正しいのだが、蛍光灯がまったくないというのもどうだろうと思ってしまう。
暗部補正。「Q.MENU」ボタンから操作できる。中央は暗部補正「OFF」で撮影、右は「弱で撮影したもの。[G VARIO 14-45mm F3.5-5.6 / L+Fine(JPEG) / 14mm(28mm相当) / プログラムAE(F4.5、1/125秒) / ISO 100〜160 / WB:オート / フィルムモード:スタンダード] |