【レポート】
アドオン・ベンダーの大きな課題のひとつがディストリビューションである。現時点でユーザーに最も大きな影響力を持つのは、Mozillaが用意しているFirefoxアドオン専用のダウンロードサイト「Addons.Mozilla.Org(AMO)」だ。Foxmarksは、AMOのフロントページで紹介されたのが糸口となって現在の評価を獲得した。MicrosoftもIE8でAMOに相当するサービスを用意しており、いずれのプラットフォーム向けにアドオンを提供するにせよ、アドオンベンダーにとってダウンロードサイトへの参加は不可欠になりそうだ。
評価を上げる上でクチコミも重要になる。CoolIrisのAlec Jeong氏は、ユーザーの居場所を意識し、ブログやTwitterなどを通じて直接コミュニケーションしたそうだ。地道な作業に思えるが、CoolIrisはマーケティングにコストを一切割くことなく100万ダウロードを達成した。
AlexaのGeoff Mack氏はWebマスターをターゲットに挙げた。Webマスターに利益をもたらす点を強調すれば、比較的容易に推薦の追い風を受けられるという。またAdaptive BlueのAlex IskoldはAMOなどのダウンロードサイトを起点とした上で、さらにその先を見越してアドオンそのものに配信の仕組みを持たせるべきだとした。自社製品の拡大や他のベンダーとのパートナーシップなど、今後の可能性が広がる。
今後の留意点としては、ユーザー情報の取り扱いが挙げられた。ユーザーからの情報収集はアドオンを打ち出の小槌に変えるが、ユーザーが最も懸念している点でもある。どのような情報を収集・利用しているかを明示し、ユーザーの安心感へとつなげなければ、逆にアドオン普及の障害になってしまう。
大規模なアドオンや登録もじっくりと検討する必要がある。小さなアドオンに比べてサイドバーやツールバーが削除される確率は高い。Alexaの場合、小さなアドオンに比べるとツールバーが削除される頻度は95%増だという。またFoxmarksのように登録プロセスを課すと、導入率が大幅に減少する。ただし大きなアドオンの継続利用者や登録のひと手間を惜しまないユーザーの定着率が高いのも事実だという。
今後コンシューマにアドオンが浸透するにつれて、ユーザーフレンドリーなアドオンが生き残るというのも共通した意見だった。導入するだけで機能するような手軽さが望ましい。CoolIrisのAlec Jeong氏は「過去10年の間にWebには大きな変化が見られず、ユーザーの根本的な要求に応えていないところがいくつもある」と指摘した。例えば画像検索の結果ページの10ページ目までを根気強く開き続けるユーザーは少ない。現時点で複数ページにわたる結果を一目で確認できるような利便性を実現できるのはアドオンだけである。
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