iPhone用ファームウェアの最新版「iPhone 2.2 ソフトウェアアップデート」が公開された。対応機種は初代iPhoneおよびiPhone 3G、登録ユーザにはiTunes経由で無償提供される。あわせてiPod touch向けのアップデータも公開されたが、ここではiPhone向けを対象に、その変更点を検証してみたい。
地図検索アプリ「マップ」の強化
今回のiPhone向けアップデートにおける最大の変更点は、Google Mapsと連動した地図検索アプリ「マップ」だろう。巷の噂どおり、実際に街を歩いているかのように全方向のパノラマ写真を閲覧できる「ストリートビュー」に対応するなど、大幅に機能強化されている。
ストリートビューの利用方法だが、PC版とは少々勝手が異なる。PC版では、[ストリートビュー]ボタンを押すと、閲覧可能な街路が水色で表示されるが、iPhoneの「マップ」にはそれがない。筆者が試したかぎりでは、地名検索や手動でドロップするなどしてピンをマップ上に追加し、地名の左横にオレンジ色のボタンが表示されなければならないようだ。
そのオレンジ色のボタンをタップすると、画面が水平方向になり、ストリートビューモードへと切り替わる。操作性はiPhone独特のマルチタッチUIに準拠、指先をスライドさせるだけで視点が上下左右に移動するのは使い勝手がいい。右下には現在位置の地図が丸い切り抜きで表示され、ストリートビューの視界がわかるよう、進行方向がヘッドライト状に明るくなることも、うれしい工夫といえる。
ただし、ブロードバンド回線ではないがゆえに、PC版ほど画面の更新は速くない。矢印ボタンをタップすると、その方向に進むのだが、Wi-Fi回線使用時でも人間が歩く速度に追いつかない印象だ。移動時は携帯電話回線を使うことを考慮すると、ポータブルナビというより現在位置の確認用と考えたほうがいいだろう。
ほかにも、車と電車を利用したルート検索や、特定の位置 (Google MapのURL) をメールで通知する機能など、iPhone 2.1公開時と比較して機能は大幅に強化されている。現在のところ、日本では徒歩による経路案内が機能しないが、これについてはGoogleの対応を待つしかないだろう。
絵文字のサポート
絵文字がサポートされたことも、大きな変更点と言っていい。「設定」→「一般」→「キーボード」→「各国のキーボード」→「日本語」の順に操作すると、「絵文字」スイッチが追加されているので、これをオンにすれば設定は完了。これで、キーボードを切り替える操作を行えば、絵文字を入力できるようになる。
ただし、あらゆる場面で絵文字を使用できるわけではなく、ショートメッセージツールの「SMS」と、標準のメールソフト「メール」でiPhone専用のEメール (i) 用アカウント (XXXX@i.softbank.jp) を利用するときしか入力できない。GmailなどのWebメールやMobileMeのアカウントで作成するメールに絵文字を入力しようとしても、絵文字キーボードに切り替わらない仕様となっている。
ソフトバンクモバイルが発表した情報によれば、利用できる絵文字は468種。対応機種は限定的で、iPhoneから絵文字を送受信できる機種はSoftBank 3G (ディズニー・モバイル携帯電話含む、SoftBank6-2シリーズは送信のみ可) のみ、NTT Docomoやauの端末とは絵文字をやり取りできない。なお、具体的な絵文字変換サービスの提供開始時期については、現在のところ発表は行われていない。