マイクロソフトが、個人向け総合オンラインサービス「Windows Live」の最新版を、12月上旬から提供する。

新サービスでは、「いつでも、どこでもつながる」ことを目指し、オンラインストレージの大幅な増強や、全世界で50社以上のSNSなどとの協業を通じた各種ウェブサービスとのシームレスな連携、PCだけに留まらず、携帯電話やデジタルフォトフレームをはじめとする各種デジタル機器と連動した利用を視野に入れた強化が図られている。

Windows Live最新版はどんな進化を遂げたのか。その特徴を、マイクロソフトの担当者に聞いた。

サービスをバッケージとして統合

マイクロソフトでは、今回の進化を、「個々のサービスの集合体としてのWindows Live」から、「プライベートなソーシャル・ネットワークと写真共有を軸とした、PCとモバイルの総合オンラインサービス」という言葉で示す。

「10年以上の歴史を持つHotmail、約7年の歴史を持つMessengerというように、バラバラに提供されていたサービスおよびソフトを、パッケージ群として、ひとつにまとめた形で提供するのが、今回のWindows Live」と、マイクロソフト コンシューマ&オンラインマーケティング統括本部 オンラインマーケティング本部 Windows Live/Mobileグループの泉宏和プロダクトマネージャーは語る。

マイクロソフト コンシューマ&オンラインマーケティング統括本部 オンラインマーケティング本部 Windows Live/Mobileグループの泉宏和プロダクトマネージャー

簡単にいえば、全世界で3億7500万人、国内で520万人が利用するHotmail、全世界で3億2500万人、国内で490万人が利用するWindows Live Messenger、そして、毎月世界中の4億6500万人以上のユーザーに利用され、日本でも月3900万UUに達するMSNのサービスが、Windows Liveに統合され、ひとつのUIから操作できるというわけだ。

「もともと、Word、Excel、PowerPointというソフトは、個別に製品化されていた。それがOfficeというなかで、ひとつのパッケージとして提供されるようになっている。今回のWindows Liveは、この考え方をサービスに置き換えたものと考えてもらうとわかりやすい」(泉プロダクトマネージャー)

しかも、外部のウェブサービスも、Windows Liveを窓口にして利用することができるようになるほか、PC以外のデバイスからも利用できることに力を注いでいる。

「Windows Liveは、デバイスに依存せず、コミュニケーションと共有を実現するサービス。そして、オンラインで提供されるWindowsの機能の一部と位置づけることができる」。

実は、マイクロソフトは、今年9月、Windowsのブランディング戦略の変更を行っている。

これまで、PC向けOSであるWindows Vista、スマートフォン向けOSであるWindows Mobile、そしてサービスであるWindows Liveというように、製品ごとに個別のマーケティング体制を取っていた。これを、Windowsというブランドのもとに集約。3つのWindowsを相互に連携したシナリオ提案を開始している。

今回のWindows Liveの進化は、このブランディング戦略の変更に密接に関係しており、PC、携帯電話を問わずに利用した環境の実現、サービスの統合という仕組みによって、いつでも、どこでもつながるプラットフォームを実現しているのだ。

Windows Liveで提供されるサービス