インターネット調査会社のRankey.comでは、2001年からの韓国市場における、ランキング上位20位以内のWebサイトに関して、統計を公表している。同社では、各ユーザーがどんなWebサイトを訪問しているのかを1時間ごとにチェックするという、独自の方法によって訪問者数を割り出して、これをランク付けし、Webサイトの動向を調査している。

Yahoo! KOREA、2001年から5位圏内を維持

韓国といえば「Naver」を始めとした検索ポータルの力が強い国として知られる。今回の調査でも、そうした傾向は明らかだった。

ところで検索ポータルといえば、米Microsoftとの買収交渉決裂やCEO辞任など、最近大きく揺れている米Yahoo!が挙げられる。同社が進出している韓国でもこれらの話題は大きく取り上げられているが、韓国での位置付けはどうなっているのだろうか。

Ranley.comによると、2001年に無料で利用できるWebメールの「Hanmail」を始めとした、新しいサービスで人気が頂点に達した「Daum」より以前の「インターネット草創期には、Yahoo! KOREAが韓国市場をリードしていた」という。早くから世界的にポータルサイトを展開していた強みが、初期には韓国でも発揮されていた。

しかし2001年からは、韓国サイトに押され気味となる。とくに2004年からはNaverが、継続して1位の座を守っている。Naverは、Webサイトや画像、ニュースなど、さまざまな分野の検索結果を一度に表示してくれる「統合検索」のほか、ユーザーの質問にユーザーが答える「知識検索」といった、独自の新しい検索方法により、現在まで韓国の人気を不動のものとしている。

上位5位圏内には、検索ポータルがランクインしていることが多いが、これらのWebサイトは大抵、韓国企業であるのも注目に値する。韓国ユーザーのニーズを把握し、それに合ったサービスを提供する韓国サイトが強さを発揮しているのは、今も数年前も変わりないようだ。数少ない外国企業のYahoo! KOREAは、これらに押され気味ではあるが、5位圏内をキープしている。

ちなみに「Google Korea」は2008年に20位となっている。同社は韓国に2006年に本格的な進出を果たしており、今後の追い上げが期待される。

Rankey.comが発表した韓国サイト人気ランキング

ショッピング、ブログが人気上昇中

2004年あたりからは「Auction」を始めとした、ショッピングサイトも20位圏内に進出してきている。2008年時点では4サイトがランクインしており、韓国での人気上昇ぶりをうかがえる。

逆に20位圏内から消えたのが動画などの投稿サイトである「Pandora.TV」だ。韓国では一時期、ユーザー自らが撮影や編集を行ったコンテンツ「UCC(User Created Contents)」のブームが起き、多くの動画や写真などが投稿されたものだが、最近ではこの熱もやや冷め気味のようだ。

逆に2008年、新たにランクインしたのがブログサービスの「Tistory」だ。動画などの作成ほど手間もかからず、自ら情報発信でき、1対1でのコミュニケーションも可能なブログ人気は、韓国でも健在ということを証明している。

2001年から2008年までのランキングを見てみると、上位圏内は相変わらずポータルサイトが占めているものの、それ以下では割合入れ替わりが激しいことが分かる。ここにこそ、インターネットのトレンドが表れている。今後は最近上位に上がってきたブログサービスはどこまで順位を伸ばせるのか、Googleは上位検索サイトの仲間入りを果たせるのかなどが注目される。