富士スピードウェイで16日、富士チャンピオンレース最終戦の開催に合わせ、無料のレースオフィシャル体験会が実施された。レースオフィシャルとは、レース運営を裏で支えるボランティアスタッフのことで、公認審判員ともいう。最も有名なのが、コース脇でフラッグを振っている人たちだろう。この体験会では、そうしたレースオフィシャルの種類や仕事内容を見聞きでき、なおかつ最後は自ら体験できるイベントとなっている。

富士スピードウェイでは年に複数回レースオフィシャル体験会を実施

F1を開催するようになってから、富士スピードウェイには「F1で旗を振ってみたい」という問い合わせが増えているという。そこで、レース運営を担っているオーガナイザーの富士モータースポーツクラブ(以下、FMC)と共同で、年に数回、こうした体験会を無料で実施している。実際に体験してもらいやっていけそうなら、最後に参加登録申請を富士スピードウェイに提出できる仕組みだ。今回、実際に参加して取材できたので、その模様をお伝えする。

富士スピードウェイ東ゲート

記者と一緒に参加した「同期生」のみなさん

後半には憧れのポスト体験

体験会ではレースを間近で観戦可能

レースオフィシャルはオーガナイザーの管理で活動

レースオフィシャルの説明に入る前に、その指揮・管理をしている、オーガナイザーについて説明したい。F1を初め、あらゆるレースやラリーなどは、プロモーター(興行主)とオーガナイザー(運営・開催)の両輪によって成り立っている。例えば、2008年のF1日本グランプリの場合は、富士スピードウェイがプロモーターで、富士スピードウェイから請け負ったFMCがオーガナイザーというわけだ。

プロモーターはレースの興行が担当で、広報宣伝やチケット販売、テレビの放映権の契約などを行う。一方のオーガナイザーは、レース運営や開催に関する全般を担当する。レースオフィシャルの登録は富士スピードウェイに対して行うが、その指揮・管理を行うのがFMCだ。ちなみにレースオフィシャルの参加人数はレースの規模によって異なり、F1の場合は最も多くて500名ほど。国内のトップカテゴリーが300名ほどで、富士チャンピオンレースの場合は、200名ほどだそうだ。レースの規模に合わせて必要な人数を集め、適材適所で人材を各ポジションに配置することも、オーガナイザーの仕事のひとつだ。

ちなみにオーガナイザーにはJAFに登録したモータースポーツクラブのみがなれ、現在は全国で1200のクラブがある。富士スピードウェイでは、誕生以来40年、F1からカートまで、すべてのレースをFMCが担当してきた。なお、モータースポーツクラブは会社組織ではなく、純然たるボランティア組織である。メンバーは全員本業があって、レースへの情熱でもって参加している形だ。

レースオフィシャルになるためには?

レースオフィシャルになるには、富士スピードウェイの場合、今回のような体験会に参加し、最後に登録申請書を書いて提出すればよい。参加希望するレースの開催1ヵ月前までに富士スピードウェイのレース事業課に連絡すると、10日前に参加確認書類が届くので、そのレースの正式なオフィシャル登録となる。あとは、当日の早朝5-6時頃に遅刻厳禁で集合し、割り当てられたポジションを担当。参加する際は交通費と食事が支給され、2DAYS以上の大きなレースでの宿泊などは用意されるが、基本は無給で活動する形だ。デビューして最初は、コース委員をサポートするコース補助員からのスタートとなっている。

コース補助員としての参加だけでよければ、特にライセンスの取得や、FMCへの入会などの必要はない(FMCへの入会は任意)。ただし、レースオフィシャルとして上を目指そうとするなら別だ。JAFの公認審判員ライセンスB3級以降が必要となる。ライセンスはB3→B2→B1→A2→A1の5種類があり、取得するにはJAFに入会し(入会金2000円、年会費4000円)、テストを受けなければならない。ただし、B3級は講習会を受ければ誰でも取得できる。A1級を所持すると、競技長を務めることも可能だ。またFMCに入会すると、ライセンス取得の際にサポートしてもらえるといったメリットがある。FMCへの入会は、入会金が1万円(学生は免除)、年会費1万円だ。

なお、2009年も体験会は、富士チャンピオンレースの開催に合わせて行なわれる予定だ。ただし、日程はF1日本GPを頂点とする国内のモータースポーツカレンダーが暫定状態のため、まだ確定していない。決定次第、富士スピードウェイの公式サイトでカレンダーをアップするので、興味のある人は冬の間にチェックしておこう。

富士チャンピオンレースのひとつのカート

こちらも富士チャンピオンレースのひとつで、FJ1600

同じく富士チャンピオンレースのN1400