新才人集う、デジタルクリエイターズコンペティション2008&映像甲子園2008

10月25日、東京・青海の東京国際交流館において「デジタルクリエイターズコンペティション2008」「映像甲子園2008」の贈賞式が開催された。

両贈賞式は「第23回デジタルコンテンツグランプリ」の贈賞式とあわせて行われたもの。「デジタルクリエイターズコンペティション」は30歳以下(国籍不問)という条件で広く一般から作品を募集するもので、デジタルを駆使して制作した3分以内の映像が審査された。大賞となる金の翼賞には、NHK BS2の番組『デジタル・スタジアム』でも高い評価を受けた「ALGOL」が選ばれている。

■デジタルクリエイターズコンペティション講評

ビデオレターで挨拶を行った審査委員長の中島信也氏

今年は作品の数も増えまして、激戦になったんですけども、優れた作品が集まりました。全体にクオリティの面ではどんどん上がっています。いままでだったら賞が取れていたものが、少しクオリティが低いだけで取れなくなる厳しい戦いになってきていることは事実です。逆にフレッシュな、いままでになかった発想が少し乏しくなってきたかな、という感想もありました。やっぱりいままでないものを、ということで審査員に「こういうやり方があるんだ」と思わせてくれるようなアイデアの新しさを心に留めて、また次回作を作っていただきたいなと思います。これからもデジタルクリエイターズコンペティションが発展して若い才能あふれる人たちが世の中に出ていくことを応援できたらなと思います。

また今回初めて開催された「映像甲子園」は、全国の高校生を対象として、実写やアニメーションなど、制作手法を問わずに制作された3分以内の映像で競われた。2008年度のテーマは「環境」。どの作品も高校生らしい初々しさと、環境保護への切実な願いが詰まった映像となっている。

■映像甲子園2008講評

会場に集まった高校生を前に講評を述べた、学校マルチメディアネットワーク支援センターの大崎清志専務理事

我々は映画甲子園というイベントを進めていますが、今年デジタルコンテンツコンペティションの一環として、高校生の賞を設定していただきました。今回初めての大会ですが、70本を超える作品が集まりました。審査の基準はひとつは独創性、ほかの人たちとは違う視点で環境というテーマを切り取っているか、それが一番の理由です。また高校生らしいフレッシュなアイデアはたくさんあったんですが、そのなかでも人に映像を見せるプレゼンテーションとして見たときに、映像の美しさもきっちり合わせ持っていたもの、そういう作品を選ばせていただきました。技術についてはこのあと学んでいくことができると思いますが、アイデアの卓抜さということを常に忘れずに自分を研鑽していただければと思います。

「デジタルクリエイターズコンペティション2008」結果一覧

賞名	受賞作品	受賞者名
金の翼賞	ALGOL	岡本憲昭
銀の翼賞	福来町トンネル路地の男	岩井澤健治
	印鑑検査工場	IshiPro
優秀賞	TINBOYS	Lee liong joo (リ・リョンジュ)
	Transformation	武末浩志
	BUILDINGS	上甲トモヨシ
韓国文化コンテンツ振興院長賞	Look around	李圭泰 (イ・キュテ)
ケベックアニメ賞	Cycle	Gregory Barth
ソフトバンク賞	trip	山口翔
東映アニメーション賞	The Diary Book	鄭敏泳(ジョン・ミンヨン)

「映像甲子園2008」結果一覧

賞名	受賞作品	受賞者名
金賞	pray	群馬県立中央中等教育学校
銀賞	Plastic-Die hard	明治大学付属明治高等学校
	日本という責任	福岡県立修猷館高等学校
優秀賞	La contamination del aqua	東京都立久留米西高等学校
	まっくろになる前に	札幌創成高等学校
	よくない。	慶応義塾高等学校
審査員特別賞	どこにでもつながる環境	関西学院高等部
	癌の惑星	野田学園高等学校