ここ数年、空前の鉄道ブームである。もちろん、さまざま形で鉄道を趣味として楽しむ人々はずっと昔から多くいたわけだが、近年の特徴としては、女性などこれまでとは明らかに違う層を巻き込んだ流行になっていることが挙げられる。

また、10・11月は各地で鉄道に関する催しが数多く開催される時期。探してみれば、ほとんどすべての週末に全国どこかで何かしらの鉄道イベントが行われている。いずれも、この鉄道ブームを受けて盛況となっているようだ。

先月、東京・日比谷公園で開催された「第15回鉄道フェスティバル」もそのひとつで、全国の50社を超える鉄道事業者・関係企業が出展、多くの来場者を集めた。その中で今回、国土交通省の企画として新たに投入された試みが「鉄男・鉄子、みなさんの部屋」である。鉄道をより多くの人に愛してもらうべく、鉄道の魅力の再発見につながるエピソードを広く一般募集したものだが、官庁の手がける企画のタイトルとして「鉄男」「鉄子」などという言葉が使われるのはかなりぶっ飛んだ印象だ。その背景にはどんな思いがあったのか。

毎年行われている「鉄道のある風景写真コンテスト」(左)などに加えて、今年新たな試みとして投入された「鉄男・鉄子、みなさんの部屋」