Symbianは好位置、だが数社でシェアを分ける予想

Strategy Analyticsでは、現在のスマートフォンOSシェアを、Symbianがトップで57%、2位以降Research In Motion(RIM)の16%、Microsoftの11%、LiMOの10%、Appleの2%としている。

Symbianの首位については、「ネットワーク効果」と分析する。ユーザーが別のユーザーに伝染するブランドの地位を確立した結果という。だが、電子メールで大ヒットしたRIM、エンタープライズに人気のMicrosoftと、それぞれが強みと個性を持つ。今後のシェアの推移については、「5年後、独占的なシェアを持つベンダはないだろう」とMawston氏。モバイルでは、PCにおけるMicrosoftのような圧倒的ベンダーは存在せず、5、6種類のOSが大部分のシェアを分け合う構図になると予想している。地域的には、LiMOはアジアで、Androidは北米で強くなりそうだ、ともいう。

「Symbianは世界的に良いポジションにつけている。規模の経済があり、標準化されている。今後も、魅力的なOSとしての位置をキープするだろう」とMawston氏は述べる。そして、ライセンス提供されているOSのライセンス価格と成熟度を分析した図を示し、成熟とライセンス価格のバランスでSymbianが優位であるという見解を示した。(写真「os_position」)

ライセンシー各社のシェアとポジション

なお、OSベンダの収益については、Apple、RIM、台湾HTCなどの"ピュアスマートフォンプレイヤー"は収益率が高いという。Mawston氏によると、Strategy Analyticsでは、2007年各社の営業利益率をAppleの携帯電話部門が35%、RIMが30%、HTCが約27%と予想しているのに対し、Nokiaは20%を上回る程度という。

オフポータルでのWeb利用が進む

アプリケーションはどうだろうか? どのアプリケーションがスマートフォンを牽引するのか?

Mawston氏によると、2012年のアプリケーション利用予想では、音声通話とSMSが引き続き強く、38%を占めるが、WebブラウザなどのWebベースのサービスの台頭も予想している。比率は18%で、「5回に1回の割合でWebが利用されることになる」とMawston氏。その他には、電子メールも強い。Mawston氏は、「ナビゲーション、音楽、TV、ビデオなど、サービスはロングテールになる」と予想した。

Mawston氏はまた、北米と欧州で行ったブランドに関する調査も披露した。「モバイル端末でどのブランドを使いたいか」という質問に対し、「Mapquest」「HotmailなどのWebメール」「Google」「MySpace」などが多く回答されたという。「ユーザーはPCで使っているブランドをモバイルでも利用したいと思っている」とMawston氏。また、もうひとつのトレンドとして、コンテンツのパーソナライズも挙げた。

利用増が予想されるWebの利用については、現在オペレータのポータル(英Vodafoneの「Vodafone Live!」など)が主流だが、今後はオペレータポータル外からのアクセスが増える予想という。オペレータのポータル経由でのアクセスは、2004年には80%以上だったのが、2010年には10%以下と、大きく減少すると予想している。

スマートフォン上でのWeb利用状況と課題。オペレータのポータルを利用するアクセスは減る傾向にある