【インタビュー】

コピー世代からイノベータ世代へ…変わる中国ベンチャー事情 - ETRE 08

2 いま参入しなければ、中国市場に入り込むスキはない

    末岡洋子  [2008/10/30]

    --中国ベンチャー企業に投資しているのは米国のベンチャーキャピタルですか?

    当初は、メンロパーク、パロアルトなどの米国のベンチャーキャピタルが中心でした。Sequoia Capital、Draper Fisher Jurvetsonなどが最初に入ってきたベンチャーキャピタルで、現在主要ベンチャーキャピタルのほぼすべてが中国に参入しています。Sequoiaは特に中国に力を入れています。

    日本では、Alibaba、Oak Pacificなどに投資しているソフトバンク、ジャフコ、ソニーなどがあります。

    中国のベンチャーキャピタルも活発で、中国元で研究開発に投資しています。私の予想では、現在の投資額の70%が米国や欧州など中国外からで、30%は中国からです。

    このように、技術もオリジナルになり、投資側も中国に拠点をもち社員を置いて展開しています。中国にベンチャー育成エコシステムが確立されています。これは大きな変化です。

    --ベンチャー企業やベンチャーキャピタルが直面する中国独自の問題はありますか?

    特許保護、検閲、偽造などは中国独自の問題です。また、管理層の欠如も課題です。第1世代は特に、技術は優れていても、ビジネスマネジメントが弱かったといえます。ですが、中国は急速に学んでおり、状況は改善されています。

    --中国政府のベンチャー企業に対する姿勢は?

    中国政府は、技術イノベーションを奨励しています。政府はハイテクを経済成長のテコにしようと考えているようです。ベンチャー企業立ち上げにあたって税制などの奨励策があり、ソフトウェアパークの設立にも前向きです。

    海外投資については、米国ベンチャーキャピタルは通貨の問題があるため、研究開発に投資するにあたってケイマン諸島のようなオフショアユニットを立ち上げています。オフショアを立ち上げずに、地元の研究開発基金と共同で投資するところもあります。規制は大幅に変わっており、中国に利益が還元されるようにしています。AlibabaやBaiduなどの中国起業が大成功したにもかかわらず、利益を得たのは海外ベンチャー投資家だったためです。そのため、オフショアは制限が厳しくなっています。

    --日本のベンチャー企業と比較するとどうですか?

    中国のベンチャー企業はリスクをとります。多くの若者が、大企業で働くよりも、起業したいと思っています。中国は失敗を許す文化です。2回目、3回目の挑戦が可能です。日本ではそうではないようです。文化が違うと思います。中国のほうが、シリコンバレー文化に近いといえます。

    --中国市場で海外企業が勝つチャンスは?

    中国市場は急速に成長しており、いま中国市場に参入して土台を築かないと手遅れになるでしょう。成長国と違い、中国はいまが市場が開いているときです。あらゆる分野ですぐに新しいサービスが生まれており、(席取りゲームのように)早く参入した企業が勝ち取ることになります。

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