【インタビュー】

コピー世代からイノベータ世代へ…変わる中国ベンチャー事情 - ETRE 08

1 エネルギッシュな第2世代が中国ベンチャーを牽引する

    末岡洋子  [2008/10/30]

    中国の台頭はハイテク分野でも目覚しく、中国では多くのベンチャー企業が生まれている。中国のベンチャー投資額は2002年に3億3,500万ドル規模だったのが、2006年で67億9,400万ドル、文字通り急成長していることがわかる。技術の中心は、シリコンバレーから中国にシフトしているという声も出てきた。

    スウェーデン・ストックホルムで開催された米Red Herringの技術と投資のカンファレンス「ETRE 08」にて、香港『Asian Venture Capital Jounral』編集長で、中国などアジアのベンチャー企業に精通したRebecca Fannin氏に中国のベンチャー動向について話を聞いた。

    Rebecca Fannin氏

    Fannin氏はドットコムブームに沸く1990年代にRed Herringで編集をし、その後『Asian Venture Capital Jounral』の編集長となった。

    --中国のベンチャー企業について、どのような印象を持っていますか?

    中国は、"Made in China"の製造業から、"Designed in China"の技術リーダーに変身を遂げつつあります。今年、著書『Silicon Dragon』(McGraw-Hill)を出版しました。中国のシリコンバレー文化を紹介するもので、中国ベンチャー企業取材を通じ、中国がハイテク分野でイノベーターとして台頭しつつあることを実感しました。

    中国には、YouTube、Amazonなど、主要なインターネットサービスがすべて地元のベンチャー企業により提供されています。YouTubeはTudou、AmazonはDangDang.com、FacebookはOak Pacific Interactive、GoogleはBaidu、Yahoo!/eBayはAlibabaです。これらは、第1世代といえます。この世代は、米国に留学して知識を得て中国で起業しているのが特徴です。いくつかはIPOも果たしています。

    このところのトレンドは、新しい世代が生まれていることです。この世代の特徴は、若く、中国で教育を受けています。北京大学など、地元の有名校を卒業した人たちです。この世代は非常に革新的で、米国のアイデアをコピーするのではなく、オリジナルなアイデアで挑戦しています。たとえば、インターネットブラウザのMaxthon、携帯電話経由で財務サービスや財務情報を提供するOriental Wisdamのほか、ユニークなところではLEDを安価に製造する手法を開発LatticePowerがあります。南昌大学の物理学教授がはじめた起業で、製造にはいったところです。また、太陽電池のSuntechもあります。ほとんどの企業が特許を持っています。

    この世代の特徴として、ビジネスの知識がないこともあります。ビジネスの知識や経験があればベンチャーキャピタルにそれほど株を渡さないのですが、この世代はすぐにお金に変えようと、持ち株の大部分を売却してしまう例が多いです(笑)。とてもやる気があり、エネルギーのある世代です。

    特許ですが、中国は、特許申請数で最も成長している国です。2002年の国際特許申請数は、米国が約4万1,000件で中国は約1,000件でした。2006年は米国が約5万件、中国は3,910件と3倍以上で増加しています(世界知的所有権機関によると、2007年の予想国際特許出願数は、中国が5,456件、米国が5万2,280件)。

    --技術トレンドは? どのような分野でベンチャー企業が立ち上がっていますか?

    Web 2.0、SNS、ゲームなどでしょうか。中国の携帯電話市場は5億人、インターネットユーザーは1億6000万人といわれており、モバイル分野、インターネット分野でアイディアが生まれています。

    たとえば、Skypeに似たサービスとしてPingcoがあります。モバイルのみに対応しており、無料です。清華大学を卒業したCharles Wang氏が起業した会社です。

    中国市場の特徴として、米国産の類似サービスと地元の企業が競争すると、ほとんどの場合で中国産のサービスが受け入れられていることが挙げられます。中国企業のほうが市場を理解しているからです。たとえば、eBayは中国市場からほとんど撤退状態にあります。

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