「長い間経営を続けていれば、良い時期も悪い時期もある。右肩上がりであれば勢いに乗って進められるが、下がり傾向にあるときはそうもいかない。そのときに頼りにしなければならないのが数字だ」

税理士法人 仲田パートナーズ会計 代表 仲田敏捷所長

税理士法人 仲田パートナーズ会計で代表を務める仲田敏捷所長は、幾多の企業を顧問してきた自身の経験を顧みながら、経営を成功させるポイントをこのように語る。

例えば、「収益が落ちたからもっと頑張れ」とあいまいな表現で鼓舞しても、社員にしてみれば実感が沸かないうえに、何をどう頑張ればよいか目標も持てない。それに対し、「『原材料費が500万円増えるから、1人当たり10万円売上げを増やさなければならない』と数字で示されれば、具体的な行動につなげられ、社員の士気も高まる」と、仲田所長は語る。

では、社員に提示できる詳細な"数字"を掴むにはどうすればよいのか。そこで出てくるキーワードが「自計化」である。

自計化とは、領収書や請求書などの原始伝票の整理から帳簿記帳、仕訳入力といった経理事務までを税理士事務所や会計士事務所に"丸投げ"せずに、自社で行うことだ。中堅・中小企業の場合、以前は経理事務の一切を税理士/会計士任せにしてしまうケースが多かったが、最近では税理士/会計士側からの働きかけもあり、自計化の流れが進んできている。

そして、仲田パートナーズ会計は、その自計化を早期から推奨してきた事務所の1つである。自計化を勧めてきたおかげで、顧問先にとっても事務所にとっても大きなプラスになったことが多数あるという。

以下、その内容を具体的に見ていこう。