地球の気候に激変が広がる

地球の気候システムが激変するのではないかということが、特にこの1年、言われている。激変のきっかけとなるポイントを「ティッピングポイント(Tipping Point)」と呼ぶ。

ティッピングポイントと気温上昇

現実は、IPCCにおけるコンセンサスよりも深刻なのではないだろうか。北極海氷の融解から、グリーランド氷床の融解、そして他の地域へと、全世界的にドミノ現象が起きていく恐れがある。

NASAのゴダール宇宙研究所所長であるハンセン博士の2007年6月の論文によると、今世紀中に海水面が5m上がり、世界の主要都市の多くが水没する可能性があるという。博士は、二酸化炭素の濃度を現在の385ppmから350ppmに下げることを主張する。空気中の二酸化炭素の濃度自体を絶対的に下げるというのだから、大変な主張である。具体策として、火力発電所の新規建設を停止することなどを求めている。450±100ppmを超えると、南極および北極の氷が全部解けてしまうというのが理由だ。

温度上昇を2度以下に抑えるために

温度上昇は、どれくらいに抑えればいいのだろうか。0.5度以下、2度以下、3度以下というのが、現在の3つのシナリオである。

IEAは、温度上昇を2度以下に抑えるにはどのような対策をとればよいかを、2007年に発表している。これはあらゆる政策や対策を動員し、火力発電以外の多様な発電方法の推進など、それこそ天文学的努力を今後20年間行わなければ無理である。

その一環として、「グリーンIT」を普及させる必要もある。

あとは実行するかどうかだけ

いわば既に診断書は出ているのであり、あとは実行するかどうかだけだ。実際、欧米先進国は6割~8割の温室効果ガスの削減を打ち出している。

日本でも、福田前首相の「福田ビジョン」で環境対策を打ち出しており、現在の麻生首相も福田ビジョンを継承すると表明している。

現在の世界経済を見ると、金融が危機的状態にあり、実体経済も大変な時期だが、これを立て直すためにも、環境、エネルギー、食料に莫大な投資をして新たな産業を作り出していくしかない。それを新たな成長のエンジンにすべきである。しかも、日本には要素技術が多い。そして、私たちがやるべきことは、ITに支援された「エコデザイン」を全力で推進することである。山本教授はこのように主張した。