【レポート】
またまた、IAC(International Astronautical Congress)の季節がやってきた。この会議は、宇宙関係の国際会議では最大のもので、昨年はインドのハイデラバードで行われている。今年は9月29日から10月3日まで、英国のスコットランド地方にあるグラスゴーで行われるとのことで、英国へ飛んだ。英国は国際宇宙ステーション計画に参加せず、独自の宇宙開発路線を歩んだ国である。80年代初頭に誰も見向きもしなかった小型衛星の世界を切り開き、新しい流れを作ってきた。同じ島国として、日本が何か学ぶことはないだろうか。おりしも、日本では宇宙基本法が制定され、日本の宇宙戦略は大きく生まれ変わろうとしている。宇宙大国とは言えないながらも独特の存在感を放っている英国。謙虚に学べば、隠れたヒントが見つかるかもしれない。会議の様子を紹介しつつ、英国の宇宙事情も探ってみたい。
英国の宇宙開発といえば、サリー大学とそこから生まれたサリー衛星技術会社(SSTL)をはずしては語れない。1980年代初頭に数名の若者がアマチュア無線衛星を開発し、NASAに打ち上げ機会を提供してもらったところから始まった小さな活動は、いまや300人を擁する小型衛星のリーディングカンパニーとなっている。ここは訪問せねばなるまい。
というわけで、サリー大学を訪問。成田からロンドンへ飛んで、そこからタクシーで30分くらいというサリー大学へその足で行く予定を組んだ。飛行は順調で、定刻にロンドンに到着。ところが、どうしたわけか、ドアが開かないとかで外に出られない。20分ほど飛行機の中で待って、やっと出たところ、今度は荷物が出てこない。ヒースロー空港ではよくあることらしい。1時間半ほど待たされ、やっとのことでタクシーに乗ったら、今度は交通渋滞。4時半の約束だったのが、6時過ぎに到着。こじんまりとした建物の玄関に小さな地球がぶらさがっているのがいい感じ。
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サリー宇宙センター(SSC)の玄関 |
九州工業大学から留学中で、今回の訪問のアレンジを手伝ってくださった倉原直美さんとその指導教官であるクレイグ・アンダーウッド博士は、辛抱強く待ってくださり、親切に迎えてくださって、SSC(大学)とSSTL(会社)の説明をしてくださった。SSTLは、徒歩20分くらいのところに新社屋を建てたそうだが、時間も遅かったので、宇宙センターのみで満足。この建物の1階はSSTLが使っていて、そこで衛星の開発を行っている。
SSTLは、創立以来、サリー大学が大株主であり、大学と企業の理想的な関係が作られていたのだが、最近、大学がEADSアストリウムに株を売却することを決めた。この変化がどのような影響を及ぼしたのか。アンダーウッド博士によれば、大学にとっては小型衛星の開発だけでなく、もっと大きなプロジェクトに参画できるようになってよかったとのこと。アストリウムから大学へ研究資金も流れるので、資金面でもプラスに作用することになる。
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