浪曼堂のキン肉マンフィギュアは、発売開始以来すでに140種以上を数える。加えて、超漢の魂・ダンクーガノヴァやガイキング・ザ・グレート、さらにダイヤブロック ハイインパクトシリーズ・66式メーサー殺獣光線車やバッカスIII世など、商品ラインナップは他社と一線を画す。今回はこれらの商品について、浪曼堂の松本哲己さんと石川智茂さんにお話を聞いた。

浪曼堂の松本哲己さん(左)と石川智茂さん(右)

――まずはキン肉マンのシリーズからうかがいたいのですが、浪曼堂さんでは従来から商品化なさってますね。

松本「はい。浪曼堂はキン肉マンのフィギュアで名前を知られるようになったのですが、現在では商品ラインナップも140種を超えていまして、キン肉星王位争奪編を出しているところです」

――比較的大きなサイズのフィギュアですと、収納スペースも大変でしょうね。

松本「そこで、よりコレクタブルなサイズで新たなシリーズを立ち上げようということでG(グロリアス)マッスルシリーズを開発しました」

――そのGマッスルシリーズというのは、どのようなものなのでしょうか。

松本「今年『キン肉マン』が29(ニク)周年を迎えるということで、グロリアスという名が示すとおり、筋肉の造形、自由な可動にこだわったフィギュアを手の平に乗るコレクションスケールで商品化いたしました」

――従来の御社のシリーズとは、どういった点が異なるのでしょう?

松本「当初ウルティメイトマッスルシリーズから始めまして、その後、可動を重視したEXシリーズを発売しました。その可動のノウハウを駆使して、より動かせるものをということでこのシリーズにたどり着きました」

――動きをより忠実に再現できる点が特長であると。

松本「例えば、動く範囲を広げてみたりですとか、首の部分も二重に表情をつけられるようになっておりますし、極力いい商品を作ろうとがんばった結果ですね」

――今のところ、キャラクターとしては、3種類お出しになったところですね。

松本「まず、当然主役のキン肉マン、そして、最初の超人オリンピックの決勝で闘ったロビンマスク、さらに、敵の中でも強大な力をもつ悪魔将軍をセレクトしまして、第1弾ということで発売しました」

Gマッスルシリーズ。左から、悪魔将軍、ロビンマスク、キン肉マン。劇中と同様の身長差を再現

――今後もシリーズは続いていくわけですね。

松本「来年の1月ぐらいになると思うのですが、第2弾といたしまして、ウォーズマンとバッファローマンを準備しております」

――そちらは、開発のどの段階なんでしょう?

松本「金型を製作しまして、そこから、いわゆるT1、トライ1という成型品を抜いて調整しているところです」

――劇中の身長の設定の何分の1というスケールなんですか?

松本「いわゆるノンスケールなんですが、設定に合うようにキャラクターごとにボディの原型を作り起こしておりまして、並べて展示すると分かりますが、キャラクターごとに身長差をつけています」

――さらに可動もするということで、劇中の場面そのままに技をかけるところも再現できるわけですね。

松本「技かけができるというのも売りのひとつになっております。一部可動にも力を入れたEXシリーズを除き、現行のものは大きさによる迫力を重視していますが、Gマッスルは可動を重視したコレクタブルサイズの二面展開となっております」

――お客さんの反応はいかがでしょうか?

松本「他社製品との比較では、キャラクターごとに身長の異なる原型を起こしておりますのと、商品ラインナップとして他社にないキャラクターも登場しておりますので、その点ご好評いただけています」

――原型を作り始めてから版権元さんのOKも出て、完成するまでにどのくらいかかるものなんでしょう?

松本「もちろん、キャラクターによって違いますが、だいたい7カ月ぐらいでしょうか」

――その間、どういったやり取りがあるんでしょう?

松本「"キン肉スグルの顔をこう解釈しました!!"といって持っていっても、版権元のゆでたまご先生の方で"いや、もうちょっと口は小さいんだよ"といわれて修正するというようなことは、ずいぶんありました。で、実際に小さくするとよくなるんですね」

――そういったご苦労もありつつ、今後もシリーズを続けていかれると。

松本「浪曼堂はキン肉マンが大好きですからね(笑)」

Gマッスルシリーズ 悪魔将軍。全高約13cmのPVC製フル可動塗装済完成品。価格は2,940円

Gマッスルシリーズ キン肉マン。全高約10cmのPVC製フル可動塗装済完成品。価格は2,100円

Gマッスルシリーズ ロビンマスク。全高約10cmのPVC製フル可動塗装済完成品。価格は2,100円