――次はロボットのシリーズについてうかがいたいのですが。
松本「過去に"漢(おとこ)の魂"というシリーズを手がけておりまして、光波獣ピクドロンであったり、ギルギルガンであったり。で、それを超えるということで、"超漢(おとこ)の魂"という分かりやすいネーミングのシリーズを立ち上げております」
――ロボットの商品についても、これまでに実績がおありになると。
松本「浪曼堂はキン肉マン商品のイメージもあるんですが、一方でロボットも盛んにやってきた経緯もありまして、ロボットがなければ浪曼堂ではないだろうということで開発いたしましたのが、こちらのダンクーガノヴァとガイキング・ザ・グレートになります」
――わたしの浪曼堂さんのイメージは、ワンダーフェスティバルに行くとブースに大きなロボットのフィギュアが並んでいる、というイメージなんですが……。
松本「25cmサイズのソフビの塗装済み組み立てキットですね。ライディーンから始まったフル可動ロボットキットシリーズですね。あれ、人面岩まで作っちゃいましたから(笑)」
――そんなことして、大丈夫だったんですか(笑)?
松本「なんとか大丈夫でした(笑)」
――そういうシリーズも手がけられた結果として、あえてサイズを変えてお出しになると。
松本「そうですね。やはり大きいものというよりはコレクタブルなサイズということになると小さい商品になるかな、というのを第一に考えまして、実際30cmぐらいあるものをシリーズ化しますと、お客様の方でも置ききれないだろうと。これもキン肉マンと同様、小さめにしたほうがよいのではないかということを最初に考えました」
――材質はソフビなんですね。
松本「はい。ソフビの素立ちのポーズのものですけれども、あくまでもディテールを重視して、見た目にカッコイイものをご提供しようと」
――ソフビのパーツごとの接合部の部分は、いくらか動くわけですね。
松本「フル可動を目指したものではありませんので、立ち姿をつけられるように一部足首や腕、首が動かせたりなどしますが、可動の範囲は限られます」
――自由にポーズがつけられるというよりは、ソフビの塗装済み完成品で、一部可動する部分もあると。
松本「それで、ちょっと価格を抑え、お客様にお買い求めいただきやすいようにしようと」
――その点、狙いどおりになったんでしょうか?
松本「ちょっと凝りすぎてしまって、思っていたほど安くならなかったところはあるんですが(笑)」
石川「色の塗り分けが多かったですからね」
――色の塗り分け工程というのは、色の数だけマスキングと塗装を繰り返すわけですから、単純に色数が倍になれば、塗装の予算も倍になる勘定ですね。
松本「実は、開発途中の段階の彩色サンプルでは、もっと色数を使っているものもあったんですが、それだとお客様に提供するときに値段いくらになるんだよと(笑)」
――そこは最終的な商品のデキと発売価格とのバランスという問題になるわけですね。
松本「そうですね」
――版権元は、ダンクーガノヴァのほうがプロダクション リード(旧・葦プロダクション)さん、ガイキング・ザ・グレートのほうは東映アニメーションさんですね。やはり、直しが入ったりしたんでしょうか?
松本「どちらも2回ぐらい直してますね。微妙なところなんですが、例えばダンクーガノヴァに関しては、腰の部分のパーツを小さめにしてほしいですとか、ディテールの修正のご指示はいただきました」
――今、この超漢の魂のシリーズのロボットはこちらの2体ですが、今後も新しい商品をお出しになる予定はあるんでしょうか?
松本「ええ。今、準備を進めているところです」
――現在は、開発のどういった段階ですか?
松本「原型製作の後、原型監修ならびに彩色の監修も通って、見本を中国の方へ送ったところですね」