電動可変タイプのマウス、Saitek「Cyborg Mouse」が登場した。ゲーム用マウスのカスタマイズ機能については、各社各様に知恵を絞っており「いずれ出るだろうな」と思っていたらやっぱり出たという印象で、同様の読者の方も多いのではないだろうか。一方Cyborg Mouseというと、電動可変は面白いけれど、実用性については疑問だった。マウスの形状など、いったん最適なセッティングを決めてしまえば変更することはないと思えるからだ。その電動可変機能から見ていこう。

電動可変のSaitek「Cyborg Mouse」。MSY SHOPPING価格は7,480円

名称 「Cyborg Mouse」
MSY SHOPPING価格 7,480円
解像度 最大3,200bpi(400〜3200dpiで11段階可変)
接続インタフェース USB 2.0(Full Speed)
対応OS Windows XP / XP 64bit版/ Vista

Cyborg Mouseの可動部分はマウスの手前半分である。前後に分割されたマウスの手前がスライドすることで、密着時から最大15mmまで伸びる。購入時は7mmになっていて、これを基準としてもっと短く、もっと長く、と調整することになるだろう。15mmという数字は小さいが、伸ばしてみると意外と長いことに気が付く。最短状態ではマウスをつまむような状態に、また最長時には手のひら全体をマウスに被せる状態になる。マウスの持ち方が全く変わってしまう。"つまみ持ち"はFPSやアクションゲームでの機敏な動きに適しており、"被せ持ち"は長時間の操作で疲労感が少なく、仕事やRPGに向くと言われている。可変機構によって、このマウスはあらゆる持ち方に対応する。

最長時(15mm)

初期状態(7mm)

最短時(0mm)

注意すべき点は、マウスの可変操作は付属のソフトウェアで行うということだ。マウス本体側に可変スイッチはないので、マウスをPCに接続し通電しただけでは可変できない。PCにドライバやユーティリティをインストールして、準備万端整えてから可変操作ができる。ハード形状に関する部分はハード側のスイッチで済ませてほしいと思うけれど、誤操作を防ぐためだろうか。

可変操作はユーティリティで実行

持ち方で気になるところは親指の位置だ。最短形状のつかみ持ち状態だと親指の位置に悩む。というのも、親指部分の腹にはハットスイッチ(後述)があり、マウスの腹を持とうとするとボタンを押してしまう。試行錯誤の結果、親指は左側突起部の先端をつかむことになった。ちょっと痛いが、微細な動きのためには悪くないかもしれない。

最長時はたっぷりとした被せ持ち状態になり、親指は左側面のハットスイッチに自然に乗る形になる。私の手で最長形態にすると、親指がハットスイッチより前にあるサイドボタンに届かなかった。しかし1mm単位でサイズ変更ができるため解決できた。マウスをスライドさせるためには親指を下のプレート部に載せて押さえる形になる。この操作はすぐに馴染む。しかし、押さえたときの摩擦を考えると、滑りの良いマウスパッドが欲しくなるだろう。

「こういう仕掛けは見せびらかしてこそ楽しい。日本では盛んではないが、LANゲームパーティなどPCを持ち込むゲームイベントで会話のきっかけになる」。その程度の印象で、最初は電動ギミックなどすぐ飽きると思った。しかし、1mm単位での微調整は電動機構ならではのことかもしれない。また、ゲームスタイルや仕事などで使い分けるにも可変機構による調整のメリットは良理解できた。そうだとすると、後述のモード変更部分でサイズや解像度を登録できたらもっと良かった。

左右のクリックボタンはカスタマイズできない

センサーは中央。ホイール動作を3段階で切り替えるスイッチがある