【インタビュー】

業務領域は工学的手法で立ち向かえ! - 豆蔵代表取締役社長 山岸耕二氏

1 なぜその要求になったのかを探る

    齋藤公二  [2008/10/06]

    エンジニアの能力を生かす

    「ITエンジニアは"業務"と聞くだけで、自分たちとはまったく違う世界のように感じて、業務知識の勉強に一生懸命になってしまう。にわか勉強でその道何十年の業務の専門家にかなうわけはない。そうではなく、論理的に考え、工学的にシステムを作ることができるという自分たちの仕事に自信を持って臨むべきだ」

    豆蔵で代表取締役社長を務める山岸耕二氏は、ITエンジニアに求められる姿勢についてこのように説明する。山岸氏は、シャープの超LSI研究所、オージス総研などを経て、2004年に豆蔵に入社。オブジェクト指向技術を中心としたシステム開発やコンサルティングに携わるかたわら、「要求開発アライアンス」の理事として、新しい開発スタイルの提案やITエンジニアの意識向上を積極的に提言している"トップ・アーキテクト"だ。

    同氏によると、ITエンジニアはそもそも、論理的な思考を行うための素養を持ち、システム設計・開発の現場において、抽象化、構造化といったアプローチを実践している人材である。だが、現場に立つと、発注者であるユーザーの意見に耳を傾けようとするあまり、そうした価値を生かすことができなくなってしまっているという。例えば、ユーザーの要求にしたがってそのままシステムを作り、仕様や機能がムダに増えてしまった結果、まったく役に立たないシステムができあがるといったケースも少なくない。

    「企業のITシステム投資は17兆円とも言われるが、本当に業務に役に立っているシステムははたしてどのくらいあるか。エンジニアにとって、間違ったものを正しく作らされることほど不幸なものはない。上流工程では、単にユーザーの要求に耳を傾けるだけでなく、なぜその要求になったのか、要求の元となった業務がどうなっていてどこに課題があるのか、ということを把握していくことが重要だ。そして、そこでこそ、ITエンジニアが本来的に持つ価値が生きてくる」

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