『時間展』の見どころは『CastOven』

9月11日~13日に自由が丘のGallery CasaTanaで行われた『時間展』では、20を超えるソフトウェアとハードウェアの試作が展示され、トークセッションも日替わりで行われた。最大の目玉は、松田聖大氏と渡邊恵太氏によるYouTubeとつながる電子レンジ『CastOven』だ。液晶ディスプレイの普及によって、電子レンジは昨今、ディスプレイの大型化が進んで、さまざまな料理のサポート情報を表示してくれるようになってきた。

『CastOven』では、これをさらに押し進めている。電子レンジである『CastOven』は、正面の窓の部分いっぱいに、大型のディスプレイが埋め込まれている。ここに表示するのは、料理のサポートではなく(それもあってもよいが)、料理中の数分を楽しく待つためのしかけである。

電子レンジを使う2分とか3分のこま切れの時間は、ほかになにかできるほど長くはないし、ただ待つのには長い時間である。電子レンジを使っているところを考えてみると、その2~3分に何をしているかというと、別のことをしているか(たとえばお湯を沸かすとか食器を出すとか)、何もせずにただ、ぼーっと電子レンジのなかで回る皿を見ているくらいのものである。そういえば最近の電子レンジは皿が回らないので、見ていても変化がなくて時間を持て余すようになってしまった。この『CastOven』では、3分なら3分にあわせて、YouTubeからぴったりの映像をダウンロードしてきて、自動的に映像を再生してくれるのである。

これは楽しい。映像が自動的に始まって、映像を見終えると料理も完了。種もしかけもありません。あまりにも手際はあざやかだ。

『CastOven』のハードウェア製作の松田聖大氏。

普通の電子レンジに見える。でっぱりもコードもないので、自然。

時間を指定して動かすと、YouTubeから自動的に映像をダウンロードして表示す る。見ているうちに料理が完了