【インタビュー】

石ノ森章太郎、里中満智子、水木しげる、赤塚不二夫 - 唐沢なをき『マンガ家入門』入門

1 冒険王『マンガのかきかた』

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ギャグマンガ家の唐沢なをき氏は、『マンガ家入門』本マニアでもある。氏がこれまでに読破してきた入門書の数々は、マンガ界を背負って立つ作家らが著したものであった。それらの書物には、どのような極意が示されているのか!? 今回は、マンガ入門本を手がけられたご経験をおもちの奥様・よしこさんにもお話をうかがった。

唐沢なをき氏(右)と奥様のよしこさん(左)

――今回はマンガの描き方の本について、お話をうかがえるそうですが……。

なをき「はい。実は私、"'マンガ入門本"'のマニアでありまして、子どものころからこのテの本が好きなんですね。マンガ家になりたいなあと漠然と考えていたころから、マンガ家になるにはどうしたらいいか、マンガ家はどういう道具を使ってマンガを描いているのか、マンガ家は皆さんどういった心構えで日々を送っているのか、そういうことについて書かれた本を読むのが大好きだったんですよ」

――好きになられたキッカケは、何だったんでしょう?

冒険王編集部編『マンガのかきかた』。唐沢なをき氏が子どものころ買い求めになったもの。年季が入っているのが分かる

なをき「カバーもとれちゃってかなりボロボロになっているんですが、この『冒険王』の編集部が編集した『マンガのかきかた』ですね。これを初めて親に買ってもらって読んだときから、マンガそのものよりマンガの描き方本の虜になってしまったという、ちょっと本末転倒な(笑)」

――やはり、今マンガ家をなさっておられることとつながりがおありになるんでしょうね。

なをき「そう言われると……今、自分がマンガ家をやっているのはもしかしたら、これがなにか遠い遠い原因になっているのかもしれない、という感じはしますねえ。まあ、本当にかすかではありますが」

――その『マンガのかきかた』には、どのようなことが書かれているんでしょう?

なをき「マンガを描くにはどういうペンを使ったらいいかとか、デッサンはどういうところが大事であるかとか、同じ走っているところでも人によってどういう描き方をしているかとか、笑っている絵、手足の描き方、その他いろいろ、当時としてはずいぶん懇切丁寧な本ではないかな」

――その当時、おいくつくらいで読んでいらしたんですか?

なをき「当時、小学校に上がるか上がらないかぐらいだったんですけれども、夢中になって読んだ本ですね」

――今、改めてご覧になっていかがでしょう?

なをき「今読むと、さすがに昔の本ですからスットンキョウなところがありまして……。なにより一番スットンキョウなのは、マンガ制作のテキストとして『ストップ!にいちゃん』の関谷ひさし先生が、なんとSFヒーローマンガを描いていらっしゃるんですよ(笑)」

――およそ関谷先生の作風からは縁遠いような気が……(笑)。

なをき「なんか、これ大丈夫かいな!? というヘンテコなSFヒーローが大マジメに悪と闘っているマンガなんですが、それがお手本になっているわけですね。あんまりこれ参考にならないんじゃねえかなと心配になっちゃう(笑)」

――唐沢先生は、今ギャグマンガを描いていらっしゃるわけですが……。

なをき「そっちの話はいかにもほのぼのとした感じで、"ギャグマンガは滑稽だけではイカン"と。キャラクターがなにか失敗をしちゃったりしたときに、"フフフ……僕たちと同じことやってらぁ"と登場人物に親しみを持たせることが必要です、とか、"笑わせるだけではいけません、読者をホロリとさせる人情味が大事です"とか(笑)」

よしこ「"マンガは風刺だ"と」

なをき「"マンガで一番大事なものは何か!? 風刺である"と、一言で言い切っているところがいいよな。なかなか今それだけのことを言い切れる人いないよね。いや、立派だと思います」

――そこから、"マンガ入門本"マニアへの道が始まったわけですね。

なをき「その後"マンガの描き方"本を見つけると、親にねだって買ってもらったり、お小遣いを貯めて買ったりしたわけですよ。本棚をちょっと探して出てきたものがこれだけなんですけれども、まだまだウチの書庫に眠っていると思います」

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インデックス

目次
(1) 冒険王『マンガのかきかた』
(2) 石ノ森章太郎『マンガ家入門』
(3) 里中満智子『マンガ入門』
(4) 水木しげる『親切なるマンガの描き方』
(5) 赤塚不二夫『マンガ大学院』
(6) 唐沢なをき『BURAIKEN』

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