Spansionは26日、都内で記者会見を開き、同社が2007年11月に初めて発表し、2008年8月にSemiconductor Manufacturing International(SMIC)に生産委託を行うことを発表した同社のNAND型フラッシュメモリ「MirrorBit ORNAND2」に関する説明を行った。

独自技術であるMirrorBit

Spansion セキュリティ&先端技術事業部門 エグゼクティブ・バイスプレジデント Carla Golla氏

同社は独自のチャージトラッピング技術である「MirrorBit」をフラッシュメモリに適用している。同技術は、本来メモリセルの両側に物理的に異なる2つの電荷をそれぞれ記憶させることで、フラッシュメモリアレイの本来の容量を2倍にする技術であったが、最近同社では、MirrorBit型の構造そのものをMirrorBitと称しているようだ。

そのため、同社ではMirrorBitを中心に据え、NORやNANDの技術をそこに組み込む手法を取り入れている。同社セキュリティ&先端技術事業部門(SATD:Security and Advanced Technology Division)エグゼクティブ・バイスプレジデントのCarla Golla氏は、「異なったセルをベースにしたフラッシュメモリを出すことで、さまざまなアーキテクチャに対応することができる」とその特徴を語る。

MirrorBitの技術はNOR、NAND双方に適用できる

MirrorBitとNANDを組み合わせ

ORNAND2はMirrorBitとNANDの技術を組み合わせたもので、第1世代は43nmプロセスでの製造が予定されている。NANDアレイに接続した独自のSONOSベースのセル構造を採用、周辺回路を小さくすることができるためセルサイズは4.0λ2で済むという。また、MirrorBitを採用しているため、SLCとMLC双方に対応できるのも特長だ。とは言え、同社としてはMLCに比べビット容量は減るものの信頼性や耐久性、性能などの面で優位であるSLCを基本的に採用するという。そのためMirrorBitと言えどもチャージしている電荷は1つとなっている。

MirrorBit ORNAND2テクノロジの特長

これは同社が同製品で狙う市場と戦略に起因している。同社としては「ORNAND2は特定の市場で活用されることを期待している」(同)としており、その主なターゲットとしては携帯電話、デジタル家電といった分野の組み込み用途であるという。そのため、容量も1~4Gビットまでに抑えるとし、多くても8Gビット程度であり「組込機器で求められる最適な容量を狙っていきたい」(同)という。

同容量帯の組込機器向けにはすでにMirrorBitとNORを組み合わせた「ORNAND1」があるが、時期を見て主力はORNAND2に移行していくはずだという。ただし、NORを用いたORNAND1はNANDで必ず発生するバッドブロックの影響が少ないため、クリティカルな領域などに向けて引き続き提供していく計画であるという。

ORNAND2による差別化技術

また、SpansionではORNAND2を用いた差別化技術の開発も行っている。主なものとしては従来はアプリケーションチップセットやプロセッサに組み込まれるか、個別に必要であったコントローラをNAND側に組み込んだ「Managed NAND」がある。これにより、コントローラおよびインタフェースの機能を統合することが可能となり、差別化を図ることが可能になるという。

Managed NANDの概要

ORNAND2の生産はSMICのみを計画

ORNADN2は43nmプロセスを用いて2009年中の生産開始が予定されている。同社の計画では、自社の工場で同製品の製造は行わず、委託先のSMICのみで製造を行う計画としている。これは43nmプロセスのみに限った話ではなく、32nm以降の微細プロセスでも同様の計画のようだ。その32nmプロセス以降の状況だが、現在、Spansionの300mmウェハに対応した研究施設「Submicron Development Center(SDC)」において、32nmプロセスがR&D段階、22nmプロセスがリサーチの段階にあるという。

MirrorBit ORNAND2のプロセス開発状況