【レポート】
日本オラクルは9月3日、新社屋移転を記念したパートナー限定セミナー「Oracle Database Days Meet the "Guru"」を開催。米国から「Oracle Database」の製品戦略責任者マーク・タウンゼント氏ら4人を招き、同社の中核事業であるデータベース戦略や最新バージョン11gへのアップグレードの有効性などをパートナー企業からの参加者約200人に向けて解説した。
開催にあたり、日本オラクルの常務執行役員 製品戦略統括本部長の三澤智光氏は、セミナーの趣旨を説明。「日本オラクルは、データベースとバートナーを中心に事業を拡大してきた。ただ、国内では8iや9iのユーザーも多く、Oracle Databaseに対しては、"遅い、難しい、その割には高い"というイメージがつきまとっている。Oracle Databaseのスペシャリストを招き、最新動向を紹介することで、パートナーとともにOracle Databaseに対するイメージを払拭していきたい」と語った。
今回、来日したのは、データベース製品戦略責任者のマーク・タウンゼント氏、データベース・システム・パフォーマンスが専門のアンドリュー・ホルスワース氏、ストレージが専門のジム・ウィリアムズ氏、データウェアハウスが専門のキース・レイカー氏の4氏。ゼネラル・セッションでは、タウンゼント氏が11gの機能の特徴とアップグレードの有効性を解説した。
同氏は、まず、データベースを30年にわたって提供するなかで、ユーザーから求められる要件は変化してきたとし、8iや9iからは品質やセキュリティの向上を、10gからはコストを下げるための機能強化を図ってきたことを説明。その事例として、Real Application Clusters(RAC)やAuto Storage Management(ASM)などを使ったグリッド・コンピューティング環境へ移行した、結婚情報サイトを運営するeHarmonyや、カリフォルニアの電力会社パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック(PG&E)を紹介した。
eHarmonyでは、1台のSQL Serverからスタートし、ユーザー数の急拡大に合わせてデータベースを4つに分割したが、それでもキャパシティが足りなくなった。そこで、昨年、RACに移行し、ユーザーが増加した場合はハードウェアをグリッドに追加する構成にし、スケーラビリティを確保したという。また、PG&Eでは、ガスや電気料金の請求の際に、月額での課金システムから1時間ごとの課金システムに変更したところ、料金を測定する際のデータ量は120倍になった。そこで、メインフレームから、8ノードのRACに移行し、オンラインでのリアルタイム請求を行うことでスケーラビリティとパフォーマンスを確保したという。
「グリッド・コンピューティングは、低価格のハードウェアをクラスタで構成することで、コストを抑えながら、スケーラビリティを確保する有効な手段だ。ただ、近年では、IT部門に対して、ビジネスのスピードについてきてほしい、IT部門は遅すぎるという声がより強くなってきた。11gでは、そうしたニーズにこたえるために、データウェアハウスに関する機能の強化を図っている」
そのうえで同氏は、11gの特徴を大きく4つの視点から解説。1つ目は、さまざまなデータ・タイプへ対応であり、「11gでは、XMLや画像などのほか、新たに、RFIDデータ、医療データ、3Dデータに対応した。また、SOA環境などで大量のXMLデータを処理するために、Binary XMLをあらたに導入し、XMLの処理速度を従来から15倍向上させた」と説明した。
また、2つ目は、データ量の増加への対応。これは、大規模データベースにおいて、レンジ、ハッシュ、リストといったさまざまな形式のパーティショニングを混在させるコンポジット・パーティショニングを強化したことや、パーティショニングをアドバイスする「パーティショニング・アドバイザ」機能の追加、データの圧縮効率を2〜4倍に高めたことを指す。同氏によると、これらの機能は、情報ライフサイクル管理(ILM)に深くかかわってくるといい、「我々は、アクティブなデータをハイパフォーマンスなストレージに、それほどアクティブでないデータをミッドレンジのストレージに、履歴データをローコストのストレージと、3階層に分けて管理する方法を提案している。パーティショニング機能や圧縮機能は、データをそれぞれの階層へ移行させる際に生きてくる」とした。
3つ目は、サービス品質の向上。同氏は、データベースのベンチマーク「TPC-C」などでナンバーワンを獲得してきたことをアピールしたうえで、11gでは、データベース・アクセスやキャッシュ、バックアップ、リプリケートなどでさらなるパフォーマンスの改善が図られていることを説明。なかでも、マテリアライズド・ビューをOLAP Cubeとして構成する機能や、クエリー・リライトの拡張、リフレッシュの拡張といったデータウェアハウス機能の強化は大きな特徴という。また、本番環境とスタンバイ環境のデータベースを柔軟に切り替えるOracle Data Guardなどの強化により、ディザスタ・リカバリといった膨大な投資が必要になるケースでも、投資を有効に活用できるようになったとした。
4つ目としては、管理性とテスト効率の向上を挙げた。特に、本番環境のワークロードを取得し、テスト環境でリプレイできるReal Application Testingや、SQLのパフォーマンス障害の原因をアドバイスするSQL Performance Analyzerといった新機能によって、データベース管理者の作業効率と生産性は大きく向上することを強調した。また、会場では、実際に、コマンドラインやスクリプトを駆使して、パフォーマンスのボトルネックの原因を探る「DBA 1.0」と、Performance Analyzerを使ったGUI操作でパフォーマンスを改善していく「DBA 2.0」の違いが劇としてデモするというセッションも開催された。
タウンゼント氏は、11gへのアップグレードによって、これらの価値が得られることを強調。また、すでにサポートの切れた8iや、今年でエクステンテッド・サポートが終了し来年からサポート料が発生する9iについては、急いで10g、11gへのアップグレードが必要であるとしながら、「アップグレードの際は、SQLプランの変更が大きな問題になりやすい。11gでは、Performance AnalyzerやDatabse Replayを利用して、アップグレードを容易に行えるようになっている」ことをアピールした。
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