【レポート】

『鉄ちゃんの掟』は守れるのか!? 新米&ベテラン鉄ちゃんコンビで鉄道撮影

2 鉄道撮影はやはり"粘り"が大切

    吉永直子  [2008/08/29]

    猫の撮影に満足したHさんは、電車の撮影に向かった。ホームを歩き回って構図を探すものの、ホーム先端の黄色い線を一瞬踏んでしまう。連載で紹介した内容を思い出したのか、「あわわわわっ」と慌てて後ろに戻っていった。通常は、常識レベルで「黄色い線の外側には出ない」とわかっていても、撮影に夢中になっていると忘れてしまいがち。安全に撮影するためにも、注意したいものだ。

    テンションが上がり、「今度は電車! 」と楽しそうなHさん。構図探しに夢中なのはわかるけど……。ここまで電車は来ないが、念のため黄色い線は意識したい。点字ブロック兼用の場合はなおさらだ

    カメラはメモ代わりにも活躍

    ふと貨物ヤードに目をやると、白いタンク車が止まっていた。「珍しいな、なんやろ? 」と、少しはなれたところからパパパッと撮影し、素早く電車に乗り込むHさん。やはり椅子と冷房が恋しいらしい。猫を撮っていたときの粘りが欲しかった。デジカメを持っているときは、メモ代わりにどんどん撮影していくのをオススメする。この白いタンク車も側面にはどういうものを運んでいるかの表示があるので、すぐに疑問が解ける。仮にその場でわからなかったとしても、撮影しておくと家に帰ってから調べることもできるのだ。このような繰り返しによって、鉄ちゃん知識は蓄積されていく。

    Hさん撮影。駅名版と貨車をバランスよく入れて、駅の雰囲気がよく撮れている。欲を言えば、疑問に思ったときはできるだけ列車に近づき、ズームも使って正体を見極めたい

    Hさん撮影。スカート(電車下部のグレイ部分)がほんの少し切れている。惜しい!

    吉永撮影。列車の側面にはそれが何であるかの表示があるので、疑問はその場で解けた。これを半年も繰り返せば、かなりの鉄ちゃん知識が身に付く

    吉永撮影。デジカメを持っているときはメモ代わりにどんどん撮ろう! 乗った列車の形式を記録するのも鉄ちゃんの基本。鶴見線の車両は、元山手線、元埼京線の205系を改造したもの。この電車は3年前に更新され、ここにやってきたのだ

    次は、海芝浦行きの支線が出ている「浅野駅」で下車。大きくカーブした支線の駅はローカルムード満点だ。ここで、海芝浦行き電車を待ちつつ撮影した。この駅も猫がいることで知られているが、もう猫には満足したのかHさんは迷わずホームの先端へと向かった。そして響き渡るカメラの連写音。「たくさん撮れる~!! 」と再びテンションが上がるHさん。新しいカメラの連写機能を試してみたかったのだろうか!?

    Hさん撮影。電車をギリギリまで引き寄せた粘りは素晴らしいが、電柱がかかってしまった。連写する場合は、最後まで構図に電柱が入らないような立ち位置を探そう

    吉永撮影。電柱をよけるのは苦手なので、広角いっぱいにして空に露出を合わせた。こういうことをしていては走行写真を撮る腕が上がらないが、いい空だったしまあいいか

    いよいよ最終目的地、海芝浦駅だ。ここは海に面した駅として有名である。「すごい、海の駅!!!」と、夢中でシャッターを切っている。しかし、立ち位置が電柱の後ろ。一応助言するも、「いいんです。ここが気に入りました」と、全然動かず撮影に集中している。少し気になったが、やっと鉄道撮影が好きになってきたこの段階で色々と注意しまうより、まずはこの雰囲気を十分に味わってもらいたい。安全にさえ注意していれば、あとは好きなように撮影してもらおうと思った。海芝浦を、鶴見線を、鉄道をもっと好きになってもらいたい!

    どう見ても電柱とケーブルが邪魔なのだが、Hさんはここがいいらしい。とはいえ、あまり立ち位置を選べない海芝浦駅。自分以外の撮影者にも気を配り、譲り合いの精神で

    Hさん撮影。初めて海芝浦駅を訪れた印象が素直に撮れている。でも、右端の電柱が惜しい。トリミングという手もあるが、初めから入れないようにする習慣を身に付けたい

    撮影すること約10分、乗って来たこの電車が発車してしまうと、次の電車がやってくるのは約40分後。もう少し暗くなった方がいい写真が撮れるのでHさんを誘ったが、「会社に戻らなきゃならないので」と先ほどの集中が嘘のようにあっさりと帰ってしまった。猫的な動きのHさんに比べ、自分の粘りは機関車的だなあと思ったり。人は、撮るものに似てくるのだろうか。

    Hさんが去ってから40分後、吉永撮影。海に隣接している感じを出すため、柵が目立たない構図をとった。駅と電車を必要最小限にして、京浜運河の水の色を見せたかったのだ。しかしこの日の海芝浦は、あまりいい色にならなかった。ゆっくり夕暮れの海を眺めることができた点は満足だが、この出来では不完全燃焼……

    鉄道撮影のおもしろさは、こちらの粘りとこだわりによってささやかな日常風景が一瞬だけ感動的な風景になってくれることだと思う。海芝浦駅は平日だと夕方の本数が多くて行きやすい。浅野駅は、条件がいいと素晴らしい夕焼けの中を走る電車の姿を見ることができる。特に秋は美しい。またHさん、一緒に来てくれるかな。

    帰りの浅野駅で吉永撮影。いい空だったので急遽、先ほどと同じ構図でもう一枚。最後まで粘ると、傑作が生まれたりもする

    関連したタグ

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

      2012年5月26日の運勢

      イチオシ記事

      新着記事

      特別企画

      マイナビニュースマガジン