【レポート】

SIGGRAPH 2008 - 開幕迫る! まずは併催カンファレンス「SANDBOX 2008」の模様をお届け

1 物理シミュレーションをCPUとGPUとで切り換える (1)

    西川善司  [2008/08/11]

    コンピュータグラフィックスとインタラクティブテクニックス、バーチャルリアリティをテーマにした世界最大規模の国際学会「SIGGRAPH」が、今年も北米現地時間8月11日より開幕となる。毎年、開催場所を変えて開催されるSIGGRAPHだが、今年はロサンゼルスでの開催となった。

    例年通り、SIGGRAPH本格開催にオーバーラップする形で併催イベントが多数開催されているが、コンピュータゲームを学術的に研究した論文を取り扱っている「SANDBOX:VIDEOGAME SYMPOSIUM」(以下SANDBOX)もその一つになる。

    SIGGRAPHの前に、本稿ではこのSANDBOXで発表された論文から興味深かったものをいくつか紹介しよう。

    ゲーム開発関連技術だけでなく、ゲームデザインからゲームが人間や社会に及ぼす影響まで、コンピュータゲームに関連したあらゆる分野を取り扱っている

    物理シミュレーションをやらせるプロセッサをCPUとGPUとで切り換える

    ブラジル国立フルミネンセ大学、MARK JOSELLI氏は、マルチコアCPUとGPUからなるPCシステムにおいて、最適な物理シミュレーションのエンジンについての提案を「A New Physics Engine with Automatic Process Distribution between CPU-GPU」として発表した。

    ブラジル国立フルミネンセ大学、MARK JOSELLI氏

    GPUで物理シミュレーションを行わせようとする動きが活発になってきているが、GPUで物理シミュレーションが高速なのは、そのシミュレーション対象オブジェクトが大量な数になったときであり、その対象オブジェクト数が少ないときにはCPUで行った方が高速であることをJOSELLI氏は指摘する。処理対象数が少ないときにはシミュレーションを行うための関連データの転送をGPUに行うオーバーヘッドの割合が大きくなってしまうためだ。

    GPGPUで物理シミュレーションをさせるのは処理対象数が多いときでないと効果は薄い

    そこで、究極的には、その時点でのシミュレーション対象シーンにおいて、CPUとGPUとでどちらか処理が高速となる方を動的に選択して行くシステムが必要だとJOSELLI氏は主張、研究グループではこの仕組みを開発した。

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