【レビュー】

VIAの新世代プロセッサ「Nano(Isaiah)」を試す

1 大きな進化を遂げた期待の新CPU

    大塚実  [2008/07/31]

    台湾VIA Technologiesの新世代CPU「Nano」(コードネーム:Isaiah)がいよいよ登場する。VIA子会社の米Centaur Technologyが設計したNanoは、C3/C7に続くx86互換のプロセッサであるが、VIA/Centaurとしては初めて、アウト・オブ・オーダー型のアーキテクチャを採用するなど、大幅な改良が加えられている。今回、そのサンプルを入手することができたので、早速チェックしてみたい。

    VIAの「Nano」プロセッサ。C9とかC11ではなく、全く新しいネーミングにしたことからも、VIAの意気込みが伝わる

    アーキテクチャの改良点

    C7からの主な変更点は以下のようになる。

    • イン・オーダー型からアウト・オブ・オーダー型に
    • 64ビット命令をサポート
    • 仮想化をサポート
    • プロセスの微細化(90nm→65nm)
    • L2キャッシュの強化(128KB→1MB)
    • FSBの高速化(最大1,333MHzをサポート)

    パフォーマンスに最も影響があるのはアウト・オブ・オーダー型の新アーキテクチャの採用だろうが、こういった改良によって、同社は「C7の2~4倍の性能を実現した」としている。これについては、後ほどベンチマークテストで検証してみたい。

    Nanoの仕様比較
    CPU VIA Nano VIA C7 Intel Atom
    コードネーム Isaiah Esther DiamondVille
    製造プロセス 65nm 90nm 45nm
    トランジスタ数 不明 不明 4700万個
    ダイサイズ 63.3平方mm 30平方mm 24.2平方mm
    パッケージ NanoBGA2 NanoBGA2 Micro-FCBGA
    L1キャッシュ 64KB/64KB 64KB/64KB 32KB(I)/24KB(D)
    L2キャッシュ 1MB 128KB 512KB
    FSB 最大1333MHz 最大800MHz 533MHz
    アーキテクチャ Out-Of-Order In-Order In-Order

    アーキテクチャが大幅に変わったことは、ダイサイズの変化からも見て取れる。製造プロセスが1世代進んだので、トランジスタ数が同じであれば、ダイサイズは(理想的には)半分になるはず。しかし逆に2倍以上になっていることから、トランジスタ数は4倍程度になっているものと思われる。大きくなったL2キャッシュを差し引いても、コア本体はかなり複雑化していそうだ。

    Nanoのレイアウト。ダイは正方形のようだ

    C7のレイアウト。こちらは横長だった

    モデルナンバーの数字には注意

    Nanoのラインナップは、低電圧版のLシリーズが2モデル、超低電圧版のUシリーズが4モデルとなっている(以下の表)。モデルナンバーの付け方は相変わらず訳が分からないが、以前VIAの担当者に聞いたところでは、これはパフォーマンスの大小を表すのではなく、消費電力も考慮したワット性能の高さを示しているとか。言いたいことは分かるのだが、ユーザーからするとかなり紛らわしい。

    Nanoのラインナップ
    モデル クロック FSB TDP
    L2100 1.8GHz 800MHz 25W
    L2200 1.6GHz 800MHz 17W
    U2400 1.3+GHz 800MHz 8W
    U2350 1.3GHz 800MHz 8W
    U2500 1.2GHz 800MHz 6.8W
    U2300 1.0GHz 533MHz 5W

    C7のTDPは2.0GHzで20Wだったので、それよりは少し高めだが、ほぼ同等の枠内という印象を受ける。消費電力についても、後ほど実測してみたい。

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