「ええじゃないか」、「フジヤマ」、「ドドンパ」などの絶叫マシンが人気を集めている富士急ハイランドでは、7月26日から注目の新ウォーターアトラクション「ナガシマスカ」が満を持してスタートする。そして富士急の夏の定番でもあるお化け屋敷「戦慄迷宮」も、装いを新たに期間限定バージョンとして「戦慄迷宮4.0 ナナシノシタイ」が7月19日からオープン! そのほか、7月5日からスタートした「カートゥーン・タイフーン」や今年で10周年を迎えた「トーマスランド」などなど、今夏の富士急ハイランドの見どころを誌上レポートする。

7月26日にスタートする「ナガシマスカ」

日本初登場となる巻上げ型の大型ラフティングライドのウォーターアトラクション「ナガシマスカ」は、円型のボート(4人乗り)をローラーコースター同様に高所まで巻き上げ、その落差で水路を降り、様々な難関が待ち受けるというものだ。富士急ハイランドで涼むといえば、お化け屋敷の「戦慄迷宮」ぐらいだったが、今回のアトラクションは、ずぶ濡れになることがテーマとなっている。

入口正面から見た夫婦招き猫と裏から見た招き猫の顔。表情が対照的です…

「ナガシマスカ」の会場を前にすると、まず目に付くのが中央にそびえ立つ2匹の招き猫が。何じゃこりゃ~? 関係者の話によると、高さ10mと8mの夫婦の招き猫で、全身に金箔が使われているという。この夫婦の招き猫が、アトラクション体験者にご利益をもたらすのだ。後に述べるが、我輩はその逆で不幸が訪れた! つまり、入り口から見える優しい顔の夫婦猫ならず、裏から見える鬼の猫顔が我輩を待ち受けたってわけ。アトラクション内で行うべきことをしないと、我輩のように不幸になるので注意が必要だ。

入り口の鳥居を抜けると、同施設の待合場所に辿り着く。ここでは、いかがわしいオジさんにアトラクションの注意や説明などを受け、早くもここで「ナガシマスカ」の洗礼を浴びる。そうです、説明の最中にいきなり水が上から撒き散らされたのだ! だが、ここで怒っては駄目なのですよ(下の写真を参照)。自慢の髪型が崩されるのは仕方ない。濡れることで厄が落とされ、恋愛が成就するのなら、濡れるなんてへっちゃらだぜ!

「ナガシマスカ」の心得5カ条が待合場所に張ってある(写真はそのうちの1カ条)

説明を受けてボートに乗り込む前に、スタッフから雨具を渡される(ポンチョは有料。1着100円で販売している)。写真のようなオレンジ色の雨具(青い靴下のような雨具も渡される)を渡され、しっかり着用しないとずぶ濡れになるので要注意だ。雨具を着用してスタッフの導きによりいよいよボートに乗り込む。この時は少しずつボートは進むのだが、最初の下りでいきなりの難関が待ち受ける。それ程大した傾斜ではないように見えるが、これはこれで恐ろしいのだ!

雨具をしっかり着用しないと、後で痛い目に

最初の難関。この下りが意外に怖い

最初の下りを過ぎてゆっくりと進行。ローラーコースターと同様に高さ18mの頂上までゆっくりとボートが巻き上げられていく。傾斜もそれほどきつくなく、我輩は頂上までの道中、園内を一望するなど余裕の表情。「富士急って広いな~」と思いつつ、これから起きる凄まじいことも予想しないまま。頂上に辿り着き、いきなり上から激流へとボートが落とされる。「うわ~、やめてくれ~!」と叫んでも、ボートは停まってくれない。終点までボートはノンストップで進行するのだ。しかも、曲がりのコーナーは、遠心力で揺れる揺れる! ボート内にある手すりにしっかりとつかまっていないと、はっきり言って危険だ。いきなりの激流体験にすっかり参ってしまった我輩は、待合場所で注意を受けたあることを忘れてしまった。それは、最初の社で手を2回叩くこと。急激な流れで我を忘れてしまった我輩、結局この行いをせずにアトラクションが終了。翌日、愛する女性からショッキングなメールが送られてきた。猛暑だと言うのに我輩の心は冬真っ只中…。まぁ我輩のことはどうでもいいが、恋愛を成就したい諸君は、このポイントで手を2回叩くこと!

頂上まで上がるポイント。アトラクション内で比較的心休めるポイントだが……

手を2回叩く社ポイント。マイクに聞こえる音で叩かないと、ハートマークが点灯しないぞ!

社のポイントを過ぎると、更に流れも急となり、上からの水攻撃も登場! 至るところで水が舞い、激流のせいかボートの中も水浸し状態だ。同乗した男性のズボンもびしょ濡れに。後半最大の難所で更に水被害が増し、彼の下着もきっと濡れていただろう…(笑)。我輩も髪が濡れないよう、必死に雨具を被せて頭上を押さえていたが、ボートが激しく揺れるわ激流に飲まれるわで、頭上の心配どころではなかった。とにかく、ボート内の手すりにつかまっていないと怖いのですよ!

後半最大の難所。上から樽の水が撒き散らされ、しかも急なコーナー! ボートが転覆するかも?

このように、カッパを着てもずぶ濡れです……

はっきり申し上げると頂上からの出来事はあまり覚えていない(笑)。意外や意外、「ええじゃないか」、「フジヤマ」、「ドドンパ」などの絶叫マシンと比べても見劣らないほどハードなのだ! 敷地面積がそれほど広くはないので、必然的にコーナーも多く、直線なんてありゃしない。ボートは揺れるし、円型のボートも回転するし……。美空ひばりの歌詞じゃないけど、「川の流れ」に身を任せるしかないのだな。しかし、これだけずぶ濡れになったのだから、社のポイントで手を2回叩かなかった我輩も厄が水と一緒に流れ去り、きっといいことがあるはずだよね? お猫さま~!