【レポート】

NVIDIA、GPGPUに関する説明会を開催 - 今年中のFortranのサポートを計画

1 CUDA対応GPUの出荷台数は8000万台超

    小林行雄  [2008/07/23]

    米NVIDIAの日本法人であるエヌビディアは23日、都内でGPUコンピューティング(GPGPU:General Purpose GPU)に関する説明会を開催した。GPGPUという言葉は2002年頃から用いられるようになったが、同社としても2004年頃から同分野を事業として注目、2006年に同社のGPUをグラフィックス以外の分野で使用することを目的としたプログラミング環境「CUDA(Compute Unified Device Architecture)」の提供を開始し、2007年には「Tesla」ブランドで専用製品の提供を開始している。

    また、2008年5月には、CUDAに動画のエンコードや物理シミュレーション機能などを追加した「CUDA2.0」のβ版を、同6月には演算性能を向上させたTeslaの第2世代品となる「Tesla 10シリーズ」をリリースしており、より幅広い分野でGPUコンピューティングを活用できるように環境を整えた。

    NVIDIA シニアプロダクトマネージャー Tesla GPUコンピューティング Sumit Gupta氏

    NVIDIAのシニアプロダクトマネージャー Tesla GPUコンピューティングのSumit Gupta氏は、「現在、8000万台を超すCUDA対応GPUが出荷されており、GPUコンピューティングは我々の生活の中に気づかない内に浸透し始めている」と語る。

    その主な例としては、創薬、気象予報、服飾、金融予測などがあるが、例えば癌の研究で用いられる「Autodock」では、12倍の処理性能向上を実現したほか、天候の研究および予測のシミュレートに用いられる「Weather Research and Forecast(WRF)Model」で用いられるシステムでは、全体の構成の内1%をCUDAに変更することにより従来比で20%の性能向上を実現したという。

    GPUコンピューティングにより、CPUを用いた演算に比べて高い性能を実現することができるようになった

    さまざまな分野でGPUコンピューティングが用いられている

    Tesla 10シリーズに用いられるプロセッサ「T10P」は、1プロセッサあたり14億個のトランジスタを搭載し、1.5GHz動作で1TFLOPSの浮動小数点演算を実現する。第2世代となり従来、単精度浮動小数点演算だけだったものが倍精度64bit浮動小数点演算に対応するなどの改良が加えられているが、「1GPUあたりで対応できるメモリの量が従来の1.5GBから4GBに増えたことこそが重要」(同)と語る。

    Tesla 8シリーズとTesla 10シリーズの比較

    メモリの容量が増したことにより、例えば石油の掘削シミュレーションでは、「G80ベースのTeslaを1(メモリ容量1.5GB)とすると、同容量のT10Pでは1.9倍の演算性能だが、4GBを用いた場合では3.5倍まで演算性能が向上した」(同)としている。

    各種のアプリケーションにおける演算性能比較

    なお、Tesla 10シリーズの倍精度浮動小数点演算の性能だが、1Uラックタイプの「Tesla S1070」で346GFLOPS程度だという。ただし、「GPUコンピューティングを用いて、スーパーコンピュータの性能ランキング"TOP500"のTOP10に入るコンピュータを作ろうというプロジェクトをカスタマが検討している」(同)としており、TOP500以内にGPUが入ってくる可能性は十分にあるとした。

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