【レポート】

手ぶらでOK! オーディオ初心者の新人編集者がウッドコーンスピーカーの組み立てにチャレンジ!

2 吸音材を調整して、好みの音を自由自在に作り出そう

    吉田早織  [2008/07/04]

    楽しい時間はすぐに過ぎるもので、あっという間に音作りの工程に進んだ。まずは既製品のスピーカーで基準となる音を聞いていく。曲は、映画『黒いオルフェ』で知られる「カーニバルの朝」だ。再生のボタンを押した途端、そこはコンサートホールと化した。ボーカルの息遣いもそのままに、響きわたる美しい音に圧倒されてしまった。

    吸音材をハサミで切る

    白い吸音材を箱いっぱいに詰めた

    いよいよ組み立て! 臨場感あふれる音作りに挑戦

    興奮も冷めやらぬまま、最後の組み立て作業に入った。「オーディオは感性が命」と語る高田さんに励まされて、音色を決定づける吸音材の調整へ。音楽好きの母の影響で、小さいころからJAZZに触れていた私は、どうすれば適した音になるのかと相談を持ちかけた。「低音を吸収する黒の吸音材は少なめに、高音を吸収する白の吸音材を多めに」との助言をもらって、言われた通り吸音材を入れていく。音の出る段階まではもう少し。あとはスピーカー端子をキャビネットに取り付けるだけだ。端子とコードをカチッと鳴るまで差し込んだ後、ゆっくりとプラスドライバーを回しながら4本のネジで固定する。これで全工程が完了。

    ダクトを木づちでたたく

    スピーカー端子をネジで固定する

    ……ということは、もう音が出る!? ただの木箱だったはずが、今では立派なウッドコーンスピーカーになっていた。早く音を鳴らしてみたい。参加者の誰もがウズウズしてきたころ「スピーカーのコンテストを開催します!」との声が。誰が作ったかものなのか、分からないようにして、参加者全員の投票でNO.1を決めるというもの。コンテストが始まる頃には、会場の熱気も最高潮に。どれが自分のスピーカーなのか分からないため、余計に面白くなってくる。トップバッターのAから音楽が流れ始めた。グッと息をのむほどに、伸びやかに響き渡るAの音色。誰が作ったスピーカーかわからないが、感動が胸に迫ってきた。その後もどんどんと聞き比べていくのだが、同じ曲をかけているのにも関わらず、表現の違った音色になっている。ここが手作りの良さなのだろう。好みや性格が音にそのまま出ているようだった。甲乙つけがたいスピーカーの数々に、悩みながらも票を投じた。結果は、白髪の似合うご年配が優勝。前回の教室でもうひとつのハンドメイドキット「SX-WD5KT」を作りに来ていたとのこと。ちなみに、私の作ったウッドコーンスピーカーは2位だったらしい!! ビギナーズラックだろうが、あまりの嬉しさにウルッときてしまった。

    ズラッと並んだ参加者のスピーカー

    優勝者にはビクター犬の置物が贈られる

    胸いっぱいの喜びを感じた私は、教室が終わったあともビクターショールーム内にある高級アンプを自分のスピーカーにつないで試聴させてもらった。デジタルアンプや真空管アンプなるものまで取り揃えられており、オーディオの世界に心酔しきりであった。そんな折「ハンドメイドは、いい意味で未完成なもの。持ち帰った後でも、いっぱい手を加えてあげてくださいね」と尾形さんが声をかけてくれた。

    「20年余り、ウッドコーンの可能性を追いつづけた者がいました。少年の心のように探求心を持って、まっすぐ進むことが大切です」(尾形知昭氏)

    「目には見えない『音』をどうやって表現したらよいのか、基準が不明確だからこそ面白いのです」(高田幸一氏)

    スワロフスキーやストーンで、思いっきりデコレーション!!

    持ち帰ったあと、尾形さんの言葉を思い出しながら、あれこれ想いを巡らせていた。音色は楽器に匹敵するほどの仕上がりになっているが、デザインはどうだろう。チェリーの無垢材が持つ魅力を活かしつつも、もっと自由な発想でデコレーションしてみてもいいのではないか。そう思い立って、スワロフスキーやビーズを取り扱っている手芸屋に駆け込んだ。テーマは「夏の海辺」。サンサンと照りつける太陽が砂浜を熱するなか、サンダルをポイッと脱ぎ捨てて、海鳥が悠々と飛び交う海へと駆けていく。そういうイメージになるように素材を集めて行った。

    タイルやスワロフスキーを散りばめた

    側面は、鳥やイカリのモチーフを使って海を表現

    待ちに待った夏への期待感をストレートにぶつけてみた。配置に失敗しても直しがきくように、ボンドではなく両面テープを用いた。気軽にデコレーションできるので、春夏秋冬にあわせてデコレーションすることも可能。アイディア次第で、いくらでも進化するウッドコーンスピーカーは、音楽ライフをもっと豊かなものにしてくれるだろう。

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